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Advent

28/11/2020

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​29日の日曜日からAdvent 待降節が始まります。和訳が示すようにChristの誕生日 Christmasを「待つ」期間です。人間にとって待つことは準備をすることと同様に生活の一部です。

小学校2年生の国語の教科書に出てくる『お手紙』の物語には、かえるくんががまくんに出した手紙を二人で待っている場面があります。四日目にかたつむりくんがそのお手紙を届けます。『ふたりとも、とてもしあわせな気もちで、そこにすわっていました。長いことまっていました。』

手紙の文化を知っている人は幸せな気持ちで待つことの体験を共有しています。今の子どもたちは習慣として手紙を書いたりもっらたりすることが日常的ではないので、その心情を理解することはむずかしいでしょう。

Carpenters の "Yesterday Once More" には期待をして待つことの体験が歌われています。
" When I was young I'd listen to the radio   
  Waiting for my favourite songs
  When they played I'd sing along, it made me smile"

Streamingで好きな曲を好きな時に好きなだけ聴く習慣を持つteenagersに、待っていた曲がようやくかかった時の感情を伝えることはほとんど不可能なように思います。

質問です。
  1. 私たちの生活から「待つ」ことの習慣が希薄になっていますが、子どもたちにとって何かを待つことの意義は何でしょうか。
  2. 子どもと接する中で待ったことで良い結果があらわれた例がありますか。一方で、心に余裕を持って待つことを妨げられた経験がありますか。

子どもの自己抑制力や意志力についての研究のひとつ、The Marshmallow Test の50数年にわたる追跡調査から明らかになったことは、ある程度予想がつくものでした。15分間marshmallowを目の前にしながらも食べるのを我慢することができた4~5歳児(被験児の三分の一)のその後の人生は、食べてしまった子どもたちと比較すると知的社会的に優位な環境の中で生活しています。

9年生の4人組は起業projectに真剣に取り組むことができないうちに14週が過ぎてしまいました。けれども突然それぞれが動きだし先週成功させました。彼らの表情を見ながら、待っていて良かったとつくづく思いました。
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Jacaranda

21/11/2020

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11月になるとJacarandaの花が咲き始めます。そして遠目に紫色の塊が目に入ると、あそこにもJacarandaがあったのかという発見があります。
 
このことは、私たちが学校で毎日接している子どもたちの中からいつもとは異なる行いやつぶやきに気がついたり、表に出てくることのなかった能力や可能性の一片を見つけたりすることと似ているようです。観ているようで見落としていること、花という形で現れないと存在に気がつかないことが多いという私たちの目や感性、記憶の不確実性を紫の花が静かに伝えてくれているように感じます。

11月は試験の月でもあります。92科目(そのうち42科目は外国語)8週間に及ぶ大学入学共通試験も終わりました。今年は新しい「規則」が加わりました。すべての腕時計を試験場に持ち込まないという規則です。そこから波及して、各学校での定期試験でも腕時計は禁止になりました。

質問です。
  1. 限られた筆記用具だけが持ち込みを許される試験で測定しようとしているものは何でしょうか。果たして本当に測定できているのでしょうか。
  2. 19世紀型の試験で測定できないものは何でしょうか。現在でも伝統的な試験方法を継続する理由は何でしょうか。

今日の試験制度や方法は学校教育制度が整って以来、目的や意味、信頼性についての分析や検証、必然性についての議論がなく続いています。効率的に個人の能力、とりわけ世間一般で言う「学力」、が測定できるという確信に基づいていますが、実際のところ結果の数字が示すことは純粋な「学力」ではなく理解度や定着度、性格や習慣などの二次的な要素が大きく含まれていることを認識する必要があるでしょう。

一般的な試験は教師が教えた内容の再生産を子どもたちに要求するので、そこから判明することは理解力ではなく理解の程度ではないでしょうか。指導を担当した教師だったら期末試験前に誰がどのくらいの点数を取るか予想がつきます。それでも日程通り試験を実施し成績をつけてしまいます。

物事を学習すること、理解すること、何かができるようになるということを科学的にとらえると、紙とえんぴつの試験以外の方法でないと子どもの能力を正しく測ることはできないことに気がつきます。

たとえば、様々な職域の技能検定では道具を持ち込んで自分の技を披露します。同様に学校の教科でも子どもたちに、自分が必要だと思うすべての物を持ち込んで、もちろんInternetや機器も、何ができるかどんな課題が解けるかという「試験」の機会を提供したらどうでしょう。きっと目を引く美しい花を咲かせるだろうと思います。
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Leadership

14/11/2020

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木曜日の夕方から恒例の行事River Cruiseがありました。

船上から美しい景色を眺めたり、夕食を食べたり、danceを楽しんでいる10年生を見ながら、こんな贅沢な行事がpandemic下で感染不安を持たずにできるのは世界中でもWestern Australiaだけだという事実を何回も思い起こしました。

WAが今世界中で一番安全なのは、州政府の判断と施策が正しかったこと、とりわけ州首相のleadershipによるところが大きいと言えます。最近の支持率は90%を超え、州民からの信託はとてもあついものになっています。

高い支持率と言えば、先月行われたNZの総選挙ではJacinda Ardernと労働党は、過去50年のなかで最も高い支持を受けました。

質問です。
  1. 民主的な社会で指導的な立場にいる人が周囲から高い支持を受けるのはどのような理由からでしょうか。その逆に、支持を得ることが少ない場合は何が問題なのでしょうか。
  2. 世論調査の選択肢に「人柄が良さそうだから」をしばしば目にしますが、一般の人々は対象となる人の「人柄」をどのように判断しているのでしょうか。

指導的な立場にいる人がどのような人物なのか、私たちは意識的にも無意識的にもそれを判断する材料や証拠を探しています。その心理行動を先回りして、人工的に良い印象を作り上げる技を使う人もいます。EQがあまり高くなく、自分のことを相手がどう観るかということに無頓着な人もいます。人柄や個性は、しかしながら、ごまかしが効かないもののようです。

Your personality - the sum of your consistent attitudes and behaviours - is merely a byproduct of identity. Harvard Business Review (2020)
あなたの人柄や個性は首尾一貫した態度と行動の総体で、identityの副産物に過ぎません。

日曜日の閉店間近のshoppig centreの店先で 「Hi Noburo!」 と誰かが声をかけてきました。見ると帽子をまぶかにかぶった州首相です。「カミさんに買い物を頼まれて急いで来たんだ。」彼は私たちと同じ地域に住んでいます。Jacinda Ardernは投票日の朝、選挙運動を手伝ってくれた人々に手作りのCheese sconesを持参して振るまいました。これらの小さな出来事や行動が私たちに強い印象を残します。

4年前の11月にKen RobinsonがTwitterに投稿したつぶやきが思い出されます。
I can't believe that the citizens of the United States have elected Donald Trump as their President. Do you have any idea what you've done?
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The Power Of Feedback

7/11/2020

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​学年末が近づき、子どもたちは成績について気になりはじめたようです。休み時間に「Aを取ったら両親から$50もらえるんだ。」と無邪気に話す7年生がいました。

Catholic Education Officeの方針に準拠している私たちの成績表は意味と価値が低いものになっています。子どもたちも保護者もLMSから最新の学習結果を見ることができるのに教職員が成績表を作成する意味があるのかという業務の効率化の観点から議論ができます。しかしながらもっと根本的な疑問から議論する必要があると思います。それは各教科の学習成果を5段階で評価する意味と成績表が子どもへのfeedbackとして機能していないという2点についてです。

質問です。
  1. 各教科の学習成果を大雑把な枠(3、5、10など)に入れて総合判定とする根拠に科学性があるでしょうか。人間ドックを例に考えてみるとどうでしょうか。それでは5つの段階に分かれたRubricの場合はどうでしょうか。
  2. 成績表がfeedbackとして機能するには不可欠な条件は何でしょうか。次のような所見を書いたとすると、それらは子どもへのfeedbackと言えるでしょうか。・今学期はたくさんの練習問題をこなして実力をつけました。・提出物の期限を守りましょう。・基本文型や関係代名詞について復習してください。

Feedback is useful information about the effects of an action in light of a goal. If I tell a joke, the goal is laughter; the “effect” is whether or not people laugh and to what extent. The specific kind and amount of laughter is the feedback. Advice might follow from a veteran comic to a joke that fell flat: “You need to work on your timing.” But unless I have clear feedback related to timing the advice is not very helpful. Grant Wiggins (2014)

3つの所見例はどれも教師からの大切な称賛、忠告、助言ですが純粋な意味でのfeedbackではないというのがWiggins教授の説明です。

John Hattieはさらに構造的に説明しています。Feed Up この単元の終わりに、この学期末に何ができるようになっているか。Feed Back どのように学習が進んでいるかいないか。理解度、習熟度はどうか。Feed Forward 次に何を学ぶか、何ができるようになるか。そしてfeedの際に観察・考察する対象は学習課題だけでなく、学習の過程、学習に際しての自己管理を含めることも重要な視点と指摘しています。John Hattie (2020) The Power Of Feedback

この3段構造と3つの視点は「進行形」であり、学習や能力を「総合的」にとらえています。現在多くの学校で継続されている成績表の「過去形」で「部分的」な特徴との大きな違いだと思います。
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    萩原   伸郎

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