今日読み終わった本の中に、忘れていた考え方・ものの見方に気付かされた箇所がありました。
“go slow to go fast.” Build a few successes, then take another tiny step. Michael Fullan (2023) The Principal 2.0 世の中のすべてと言っても過言ではないほどに、速さと効率と成果を弾き出すことが要求される中で、この当たり前の原則、急がば回れ、を一体どこに置き忘れてしまったのかと自問しました。 質問です。 ① 昨年度の子どもたちとの学習活動や課外活動、学校生活の中でゆっくり丁寧に時間をかけたことで、大きな成果を生んだ事例があるでしょうか。その逆に、急いでしまったことで、やり終えたものの期待を越える成果はあがらなかったという事例があるでしょうか。 ② 私たちの仕事、日々の業務や個人的な暮しの中で、丁寧に時間をかけたことは何でしょうか。この新しい年度にゆっくり進むことを心がけている物事は何でしょう。 自分の時間と仕事に携わる時間の境界線がぼやけてしまっている現実、対応の速さという一元的な評価と期待が横行する組織。少し斜に構えてみようかと考えています。 Fullanは学習評価に関しても、go slow to go fastの哲学と同じ本質的な課題提起をしています。 “Assessment is a window into both learner development and teacher practice.” “Assessment is not based on a deficit model but rather a diverse strengths-based approach leveraging portfolios and other rich qualitative assessments.” Michael Fullan (2023) The Principal 2.0 「学習評価は、学習者の知的発達と教師の実践の両方を見る窓です。」 「学習評価は不足モデルに基づくものではなく、ポートフォリオやその他の豊富な質的評価を活用した多様な学習者の『強み』に基づくアプローチなのです。」 減点法で点数をつけるのではなく加点法で、これを理解している、これができているという証拠を拾い上げて点数をつけることで、目の前の子どもたちの能力や可能性が完全に違って見えてくるはずです。そしてその結果、教師としての自分の仕事の質の良し悪しにも視点が向くはずでしょう。
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Author萩原 伸郎 Archives
10月 2024
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