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時間を使うこと

23/12/2019

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​この時季の空港の到着ロビーはクリスマスを共に過ごすために帰省する家族や親戚、友人を迎える人々であふれています。食料品店やスーパーマーケットもクリスマスのご馳走を作る材料を求める買い物客で大混雑です。

多くの家庭に定番の料理や飲み物、毎年のしきたりのようなものがあり、誰とどこでどのように祝うかを決めることは大切な準備の一つです。核家族化が浸透している社会ですが、たくさんの家族が集まって祝う習慣や、他人がどのように祝うかということにも気を配る様子を見るたびにこの多民族多文化の国に住む人々のあたたかさとやさしさを感じます。

私たちはお金や品物で感謝や同情の気持ちを表現しようとしますが、その選択肢よりも時間や努力を人のために捧げることの優位性に気づくのもこの時季です。たくさんのボランティアがクリスマスの朝に路上生活の人や身寄りのない人々にご馳走をふるまいます。

質問です。
  1. 学校や家庭で、自分のために他の人が時間を使ってくれたと感じたのはいつ、何についてでしたか。
  2. 自分が他の人のために時間をかけたと思えるのはいつ、何についてですか。その際に謝意を受けることを期待していましたか。

今年も子どもたちにいろいろなことを頼みました。プログラムのデザインや挿絵、ドローンを使った撮影、行事の準備や運営、来校者の案内など思いおこすと次から次へと出てきます。それらの役割に時間を惜しみなく使って見事にやり遂げてくれました。子どもたちには成就感や達成感を味わってもらえたと思いますが、私の視点で振り返ると子どもたちと信頼関係を築けたこと、作業を通して一人ひとりにスポットライトを当てることができたことをうれしく思います。

この国ではクリスマスカードのやり取りの習慣は過去のものとなってしまいましたが、不思議にも今年はこの数年の中では一番の枚数をもらいました。そして、受け取る相手がこの一年どのように過ごしたのかを思いながら時間をかけて書くことは尊い作業だと気がつきます。自分も含めて、カードを書くことをやめた人々はそれに使っていた時間を、別の方法で相手を思うことには使っていないだろうと予想がつきます。このようにして私たちの周囲の人々を思う時間が少なくなっていくとすると、人間関係は一層表面的なものになり相対的に社会が脆弱化していくのかもしれません。

SNSはそれを食い止めるでしょうか。あるいは自己顕示欲と自己陶酔に溺れたCallout cultureを助長するだけでしょうか。
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Awards Night

14/12/2019

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12月は1年の幕引きと同時に、学校の年度末でもあります。私たちの学校では子どもたち、保護者、様々な関係者を招待して1年間の教育活動を振り返るAwards Nightを開催します。今年も教科や活動で最高位を獲得した7年生から12年生の子どもたちに、総計で257の賞を授与しました。単純に計算すると、全校生徒の約23%が賞をもらったことになります。

とりわけ、教科にかかわる賞は数値の結果で受賞者を判定する方法をとってきましたが、数値にはあらわれないけれども弛まずに努力を続けて成長している子どもたちや、学校や地域にすばらしい貢献をしている子どもたちにも賞をあげることができるように、新しい賞と選抜方法を設定する試みを続けています。

2時間を超える儀式とentertainmentの複合体を創りあげることにたくさんの教職員を巻き込み、労力と時間を注ぎ込みますが、子どもたちや保護者に「晴れ舞台」を提供することに大きな意義を感じます。

質問です。
  1. 学校や教師は子どもたちの知的、精神的、社会的成長を観察者の視点でとらえる努力をしているでしょうか。目に見えるものだけでなく見えないものも見つけ出す能力を磨いているでしょうか。
  2. 客観的な観察から浮かびあがった子どもたちに、公式あるいは非公式に彼らの努力や成果を讃える習慣があるでしょうか。

皆で個人や集団の成功や努力を讃え合う習慣は大切な学校文化の一つだと思います。丁寧に培っていきたいと思います。

Awards Nightに先立って、日曜日の朝、校長たちと病院に向かいました。数学の科目で最高位をとった11年生が期末試験直後に脳腫瘍があることが判明して、急遽手術をすることになりました。彼の病室に賞状を届けに行ったのです。家族や親戚の方々が見守る中で、彼は精一杯の表情をつくり言葉を絞り出しました。2月の新学期までには化学療法も終えて、第1日目から元気に復帰することを宣言しました。

病室を出る際に、お母さんがこらえきれずに涙を流すと、校長の顔も涙で濡れていました。
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    萩原   伸郎

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