学期最後の7年生のクラスで、春学期を振り返っていろいろ質問をしてみました。
一番おいしかったお弁当は。一番楽しかったクラスは。一番たいへんだった宿題は。問いかけごとにあちらこちらでにぎやかな声が上がりました。誰もが中学生としての通過儀礼を体験したようでした。 質問です。 ① もし時計の針を戻すことができたら、どこの時点に戻りたいですか。その理由は何でしょうか。 ② 自分のこれまでの人生を振り返って、何かしらの後悔の念がわいてくるのは過去にしてしまったことについてでしょうか。それともしなかったことの後悔でしょうか。 最後にどの時点に戻りたいかとたずねてみると、中等部の入学式の日に戻りたいと言う7年生がたくさんいました。その理由は、春学期にしたテストをもう一度やりなおすことができて、良い点が取れるからというものでした。 この回答を聞いて少し複雑な気持ちになりました。私たちの学校はそれほどまでに7年生にたくさんのテストをして、その結果を常に彼らの目の前にぶら下げるようなことをしているのだろうかと。さらに、中学生としての自分の成功や達成度がテストの点数や成績だけで決まると考えているのだろうかと。 学期末の振り返りの中で、7年生が持った後悔はするべきことをしなかった、あるいは不十分だったという反省でした。 “Action and inaction alike is to use the regret to improve the future. If we look backward with a specific intent of moving forward we can convert our regrets into fuel for progress.” Dan Pink (2022) The Power of Regret 行動したことも行動しなかったことも、同様に、後悔を未来への改善に役立てることです。前進するという具体的な意図を持って後ろを振り返れば、後悔を前進のためのエネルギーに転換することができるのです。 Pink氏のチームの調査によると、人は20歳を過ぎる頃から自分がしたことについてよりも、過去にしなかったことについて後悔することの方が多くなるということがわかっています。 夏休みの終わりに、あれもこれもしなかった、できなかったと後悔しないように、ひとつずつ実行していこうと思います。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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