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The Optimists

28/1/2018

 
​何となく手にとった2018年第1号のTIME (1月15日付) の表紙には白抜きでThe Optimistsとあって、目がひときわ輝いている笑顔の子どもの写真につられて頁をめくり始めました。

世界各地の極貧の国々で、この30年間で子どもの死亡率、予防接種普及率、妊婦の死亡率、最低賃金の保証などで大きく改善していることが取り上げられていました。30年前には5人に1人が5歳に達する前に死亡していたEthiopiaの、5歳の誕生日を迎えた子どもたちの笑顔が並んでいます。

一年の初めにふさわしく、喜びと希望と次への目標へ向かう力を読者に与える記事を書き編集した人々の意図と良心を感じました。その姿勢は記事の中にあった美しい表現にも凝縮されていると思います。”how to hold a prism of lights to a world that can seem increasingly, constantly, dark.”
もちろん、世界各地で様々な立場や役割で弛まぬ努力を続けてきた人々もまた、希望と成功の確信を持ち続けたからこそ成し遂げられたのだと思います。

質問です。
① 学校や教室でprismが放つ光とは何でしょう。どうすればその光を見つけることができるでしょう。
② その美しい光を誰に、何にあてれば良いのでしょう。

偶然観たdocumentary映画 Monkey Business も、物事を悲観的にとらえずに希望と夢を明確に持って目の前の現実に立ち向かった夫婦の実話でした。この夫婦が絵本「おさるのジョージ」の作者です。ユダヤ人であったためにNaziから逃れて各地を移動しますが、いよいよNaziがParisに侵攻すると自転車で脱出して国境を目指して南下します。逆境や窮地に追い込まれた時だけでなく日常の生活の中でもoptimistsだったのだろうと想像しました。

今回の研究講座で話し合ったGrowth mindsetは、子どもたちの何についてほめるかということに焦点を当てました。そもそも子どもたちを取り巻く人々の根底にある物事の見方・とらえ方が肯定的であるかどうか、成功や失敗を判断する基準が何かということがGrowth mindsetを持つ子どもたちを育てる環境を作ることに深く関わっていることに気がつきます。

楽観的で好意的、口をつくと冗談ばかりが飛び出す友人は、自分の苗字さえ「混乱」と当て字で書いていました。彼の家の玄関には小さな札がかけられていて、そこには “Leave your shoes and negative thoughts”とありました。職場の大学で揉め事が続いた時も闘病の時も、彼はその札を見て家に入っていました。2018年は学校や教室に一歩足を踏み入れる前に、否定的な考えや感情を捨てて新鮮で無垢な心持ちになって入ろうと思います。

水泳教室

7/1/2018

 
Ideas 45 から学校での評価についていろいろと考えを巡らしてきました。

真夏のAustraliaでは各地の海岸や水泳施設で教育省が主催する夏休み水泳教室が開かれています。$7の費用で5回の短期水泳教室に参加できます。たくさんの子どもたちが参加して水に親しみ泳力をつけていきます。年齢別ではなく各自の泳力に合ったclassに入り、そこで次のlevelに上がるための練習をします。最終回までに規定の泳法で一定の距離が泳げるようになると進級します。単純な過程と明解な評価基準です。

質問です。
① 水泳教室や音楽教室のように子どもたち一人ひとりの能力と技能で学習集団を構成し、その子どもたちに最適な学習内容を提供し習熟をはかる。このような学習形態の利点は何でしょうか。
② 学齢に関係なく能力を基準として学習集団を形成し、一人ひとりの子どもたちの習熟度を高める方法を通常の教科学習に取り入れてみることは可能でしょうか。

ある内容を理解したかどうか、ある課題が解けたかどうか、という事実はほとんど毎回の学習時間の中から拾いあげることができます。さらに他の子どもとの比較ではなく純粋に一人ひとりの能力を判定する仕組みと習慣を持つことも容易なことでしょう。それらの情報をもとに、教師は一人ひとりの子どもたちがどの段階の理解度と習熟度にいるかという専門的な判断をすることができます。それを子どもたちと保護者に常時伝える。この過程を継続すれば、総括的評価(単元末評価や定期試験)のような点数での選別を目的とした教育的生産性の乏しい評価は必要でなくなります。さらに学期末の成績表も存在する意味がなくなるでしょう。

第10回研究講座で、教育的用語としてだけ存在しているように感じる「診断的、形成的評価」を実践的に活用し、今日の不自然な学習と評価の関係が有機的で真に教育的な融合となるための方法について話し合いたいと思います。

子どもたちを評価する学校が社会から「評価」されることもまた事実です。2017年11月に実施された大学入試結果をもとに、州の教育省が学校別の結果を公表しました。私たちの学校は今年もそのTop 50 listに載っています。総合的な学校評価とは言い難いこの官報には多くの問題がありますが、ひとつ着目したことは、富裕層が住む地域の学校や伝統校に劣らぬ良い結果をあげているという点です。Benjamin Bloomは人間の能力の顕現はその人が育った環境に影響を受けるという主張を展開しました。”Attainment was a product of learning, and learning was influenced by opportunity and effort. It was then, and is now, a powerful and optimistic conception of the possibilities that education provides.”
私たちの学校にはある種の環境と文化があるのかもしれないと感じました。

    Author

    萩原   伸郎

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