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Ideas

Be proactive

31/10/2021

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1961年の就任演説でKennedy大統領は国民に公共のための行動や市民活動を促すメッセージを発信しました。
“Ask not what your country can do for you. Ask what you can do for your country.”

あなたの国があなたのために何ができるかをたずねるのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるかを問うのです。 

今回の選挙でこのような政見を述べた人がいたとすると、世論は総攻撃をするでしょう。けれども落ち着いて考えてみるといろいろなことに気がつきます。

質問です。
  1. 私たちは常に国や自治体が策定する制度、規則、保護、指示の範囲内だけで権利や自由を実現しているのでしょうか。国民としての自立や主体的な生き方を貫くことで、国や自治体のために、人類の幸福のためになるような生き方を選択することはできないでしょうか。 
  2. 実行しようとしていたことが壁にぶつかった時、自分の期待や希望通りに物事がすすまなかった時、意見が受け入れられなかった時、互いの考え方が正反対であることに気がついた時、私たちはどのような行動を取るべきでしょうか。

私の部屋やemailのinboxに毎日たくさんの人がそれぞれの案件や意見を持ってやって来ます。子どもたち、先生方、職員の方、保護者の方から直接にうかがうことはとても大切な機会だと思い、聞くことや読むことに集中します。すると、人々の考え方や反応、行動に二通りのグループがあることが明確になってきます。Reactive (直感的に反応する) な人とProactive (物事の前後関係を総合的に考える) な人です。

おもしろいことはReactiveな人には解決策や妥協案を導き出そうとする意識はありませんが、Proactiveな人には善後策を導き出すことに努力をおしみません。

たとえば今 Cop26 Climate Summit が開かれていますが、proactiveな人々は自主的に温暖化を防ぐ小さな行動を実践しているはずです。そのような人々が組織や国に多くいることが個人と全体の幸福につながるということを私たちは認識する必要があるでしょう。​

「何れの国にても何れの時代にても、一世の人民を視るに、至愚なる者も甚だすくなく、至智なる者も甚だ稀なり。唯世に多き者は、智愚の中間に居て世間と相移り、罪もなく功もなく、互いに相雷同して一生を終る者なり。この輩を世間通常の人物と云ふ。所謂世論はこの輩の間に生ずる議論にて、正に当世の有様を摸出し、前代を顧て退くこともなく、後世に向て先見もなく、恰も一処に止て動かざるがごときものなり。」福澤諭吉(1875)文明論之概略

考える人、行動する人が必要な世の中だと思います。


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VUCA PRIME

17/10/2021

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課外活動のためのキャンプ場に向かう大型観光バスが学校の玄関前にとまりました。参加者が手をアルコールで消毒して乗り込み、間隔を十分にあけて座ると一行は出発して行きました。私たちは感染予防対策を適切にとっていますと説明ができます。

けれども学校に集合した子どもたちの多くは公共の交通機関を使っているので、その中でSocial distancingを確保していた可能性は極端に低いでしょう。

教室内や廊下での移動、教室内での学習活動では常に十分なSocial distancingを実現しているでしょうか。子どもたちが行くであろう商業施設などではどうでしょうか。こうして観てみると、社会をLockdownしない限りSocial distancingを達成することは限りなく不可能なことに気がつきます。そしてSocial distancingを人々に喚起することの意味に説得力がなくなっていることにも気がつきます。

質問です。
  1. それでも一定の間隔をあけましょうという指導は必要でしょうか。世の中の一般の人々はSocial distancingを常に意識しているのでしょうか。国や地域を運営する人々、医療関係の人々はSocial distancingの習慣が広がっているかどうか、あるいは効果があがっているかどうかの証拠を持っているのでしょうか。 
  2. 人々が約束事の意味や必然性を理解していない時、忘れられてしまった時、賛同していない時、私たちは何をするべきでしょうか。

VUCAは、Volatility 変わりやすいこと、Uncertainty 不確実性、Complexity 複雑さ、Ambiguity 不明確さ、という今の時代の社会をあらわしていますが、VUCA PRIMEというまったく視点の異なったとらえかたもあります。それは、Vision 見通し、Understanding 現状理解、Clarity 明確さ、 Agility 決断や行動の機敏さというものです。

COVID感染予防対策疲れと様々な措置の不整合性、そして感染者減という現状のなかではVUCA PRIME の思考様式を採用する必要があるでしょう。約束事や規則を「書き換える」という勇気も必要なのだと思います。

“a good editor is someone who uses deliberate subtraction to actually add life to the ideas setting plot and characters. Likewise in life disciplined editing can help add to your level of contribution it increases your ability to focus on and give energy to the things that really matter.” Greg McKeown (2021) Essentialism

良い編集者とは、意図的な引き算をして、アイデアやプロット、キャラクターに実際に命を吹き込む人です。同じように、人生においても方針に沿った編集は、あなたの貢献度を高め、本当に重要なことに集中してエネルギーを注ぐ能力を高めてくれます。
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平等、公平、そして

10/10/2021

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8年生と3枚の絵をもとに考えました。1枚目は塀の向こう側の野球場で行われている試合を見るために、それぞれ身長の違う子どもたちが同じ高さの箱の上に立っている絵。2枚目は身長と塀の高さにあった箱の上に立って試合を見ている絵。3枚目は障害になっている塀をなくして、踏み台の箱も使わずに試合を見ている絵。

1枚目の絵では、一番身長が高い子は楽に試合を見ることができるのに箱に立っています。一番背が低い子は箱に乗っても塀の高さにとどきません。

これらの3種類の絵に当てはまる言葉を考えてもらいました。1枚目は「Equality 平等」、2枚目は「Equity 公平」という答えで一致しましたが、3枚目の絵には「自由」「人権」「バリアフリー」などの言葉が出てきました。

質問です。
  1. 平等であることを達成するために画一的な施策や方法が用いられていることで、意図に反して不平等や不公平な状況を生んでいる実例が私たちの日常生活の中にないでしょうか。 
  2. 学校教育の仕組みの中に平等ではあっても公平とはいえない事例がないでしょうか。様々な多様性が存在する教室の中での学習活動は、可能な限り公平な条件や選択肢を子どもたちに提供しているでしょうか。

日本の学校に典型的な校舎のデザインには設置者の効率性を最優先した「平等」思想が現れています。大切な校名を各校「平等」に番号で決められてしまった公立学校も多くあります。こうして考察してみると型通りの平等を提供することにさほどの準備も配慮もなされなかったのだろうと予想がつきます。

最近使われるようになった個別最適化という言葉の本当の意味がどの程度理解されているか、共感されているかは不明ですが、Differentiationの究極的な目的は学習活動に「公平」や「バリアフリー」の具体的な方法を導入して一人ひとりに成長を保証することにあります。

たとえば、退屈で美しくない個々の教室をわくわくするような楽しい環境に変えることは可能でしょうか。

すべての子どもたちに同じ課題を同じ量だけ課すのではなく、好き嫌い、得意不得意に合わせて異なった課題を異なった量でとどけることは可能でしょうか。

自分の知性、得意な領域から単元に入って学習を深めることは可能でしょうか。

こうして考え始めると、塀を取り除いてすべての子どもたちがそれぞれに学びを楽しむ環境を作ることは可能であることに気がつきます。

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Beyond Academic Learning

3/10/2021

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子どもの成長と同時に様々なことができるようになるのが一般的な成長と能力の関係です。ところがそう断定できないことが世界10都市での調査結果をもとにまとめたOECDの最新の報告書 Beyond Academic Learning で明らかになりました。

質問です。
  1. 10歳と15歳の子どもたちを比較しておそらく15歳の子どもたちの方が劣っていると予想がつく能力は何でしょうか。 
  2. 小学校と中学高校とを比較した時に、子どもたちの身体的・精神的な成長度を考慮すると、現実の学習内容や方法、学校や学級の仕組みが望ましい成長のための援助にはなっていないという例は見当たらないでしょうか。

前述の報告書は子どもたちの社会的感情的能力(Social and emotional skills)について焦点が当てられています。調査の結果10歳の子どもたちの方が15歳よりも高いと判明した社会的感情的能力は、責任感、忍耐力、自己抑制力、ストレス対応力、楽観、感情コントロール力、共感力、信頼、協力、好奇心、創造力、社交性、活力、自己肯定感、向上心でした。

社会的感情的能力は Open-mindedness, Task performance, Engaging with others,
Collaboration, Emotional regulationという5つの領域に関連した能力ですが、一体どうすれば伸ばすことができるのでしょう。本当に中高生にはそれらの能力が低いと言えるでしょうか。

先週私の部屋に12名の子どもたちが来ました。その内訳は、7・8年生を対象に学習会を提供したいという提案を持ってきた11年生、海外進学の準備の相談に来た12年生、留学の相談に来た9年生、多視点を持つことの大切さについてのpodcastのインタビューに来た11年生、科目変更の手続きを相談に来た12年生、食品関係のごみを削減する個人研究の進捗と今後の方向性を相談に来た10年生、手造りアクセサリーの起業を相談に来た11年生、来る運動会の観戦方法について相談に来た12年生、中国語スピーチコンテストで優秀賞をとった11年生のpodcastインタビューです。そして金曜日の放課後には9年生と12年生の4人組が自分の性に不安がある子どもたちとどのように接していくべきかという学習会を教職員に向けて開催してくれました。

これらの若者の思考と行動を社会的感情的能力の物差しで測定すると相当な高さであることは確実で、どの学校にもたくさんある事例だと思います。全校生との割合の高低は各学校の文化や習慣という要素で差が出るのかもしれません。大切なことは、その学校文化に多様な価値観や考え方、行動の選択肢を認めるという土台があるかどうかだと思います。

“The way students view their relationships with their teachers is most strongly influenced by their curiosity, achievement motivation and optimism. “Beyond Academic Learning (2021) OECD

生徒が教師との関係をどのように捉えているかは、生徒の好奇心、達成意欲、楽観性に最も強く影響されます。
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    萩原   伸郎

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