人は成長するにつれてなぜ質問をしなくなるのか、問いを持たなくなるのかということを先月の研究講座で先生方と考えました。
ジャーナリストのWarren Bergerは5つの理由を挙げています。”fear (恐れ)” “knowledge (知識)”, “bias (先入観)”, “hubris (傲慢)”, “time (時間)” “Though many young children start out as fearless questioners, they gradually get the message—from teachers, parents, other kids—that asking a question carries risks, including the risk of revealing what they don’t know and perhaps ought to know.” Warren Berger (2018) The Book of Beautiful Questions 40度に届くと思われる炎天下の歩道を歩いているとバスを待っていた年配の方から声をかけられました。「今、何時ですか。」 3時7分ですと応えたその瞬間に、子どもの頃、腕時計をするようになった中学生以前にはよく見知らぬ大人にたずねた質問の一つだったと思い出しました。そう考えてみると、5つの理由に加えて、technologyを身につけたことで直接人に尋ねるという行為が減ったと言えそうです。 質問です。 ① 最近誰かから良い質問を受けましたか。それはなぜ良い質問だったと言えますか。その逆に、誰かにじっくりと考えさせる問いを投げかけたことがありましたか。どのような仕掛けを考えましたか。 ② インターネットで検索する行為も答えを求めるという点では、人に対して質問をする行為と同じですが、根本的に異なる点は何でしょうか。 なぜ現代の人々にCritical thinking skills が欠けているのかという問いに経営改革が専門のBouyguesも同様に分析しています。 “I think one of the reasons why it’s more difficult in today’s day and age is that we live in a world of incessant distraction and technology is often to blame as well.” “And part of the necessity of critical thinking is having that ability to take a step back and actually think about your own thinking.” (2023) そして好奇心を持ち続け、「もし○○だったら」という問いを自分自身に投げかけることが批判的・構造的思考力を伸ばすために必要なことの一つと指摘しています。 人への問いかけを考察していくうちに、自分への問いかけの習慣も関連しているということに気がつきました。私は「なぜ今もここにいるのか」という問いを今学期自分に投げかけようと思います。
0 コメント
|
Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
Categories |