女性で初めての米国大使として Italy や Brazil に勤務し、後に政治家となった Clare Luce は、1962年 Kennedy 大統領の関心が多様な政策や案件のために分散し集中力に欠けていることを指摘し、こう助言しました。”A great man is one sentence.” 意訳すると「偉大な人間(の仕事)は一文で表現できる。」と。
歴史上の偉人や思いつく人々の仕事や成果を考えてみると、確かに一文で表現できることに気がつきます。同様なことを聖路加国際病院の細谷亮太氏が免疫学者岸本忠三氏の著書からの引用を引いていました。「そうした中で私が大事だと思うことは、自分の軸足をきちんともった仕事をすることです。誰かに「あの人は何をしていた人ですか」と問われたときに、自分がやってきたことがずっと一本の糸でつながっているような仕事をすることが大事だと思います。自分の仕事の原点、本質は何かということです。そういう仕事の仕方を続けていると、そのうちそれが自分の思想となり、考え方の基礎になってきます。絵画に作家の個性が出るように、研究であれ仕事であれ、人間がやることにはその人となりがにじみ出てくるものです。」 ひるがえって、昨年の自分を振り返ってみると、いくつか成功した事例が頭に浮かびますが一文にするほどの決定的で革新的な成果はないように思います。無難に仕事をこなしたということでしょうか。それはそれで大切なことですが、焦点を絞ってそこに注力することが、仕事の質を上げ自分の良さを活かすことに結びつくのではないかと思います。そこで2017年はある一つのproject、分野、領域に絞って確実な成果をねらいたいと考えています。 質問です。 ① 昨年やこれまでの仕事を振り返って、一つの文章にまとめることができますか。 ② この一年の目標を一つの文章で表現するとどんな文章になるでしょうか。 先日の Obama 大統領の最後の演説を聞いた後、原稿にも目を通してみました。演説の中の文章のほとんどが We や Our という代名詞と無生物主語で始まっていました。大統領としての自分の成果を誇示せずに teamwork で成し遂げた結果であるという認識、米国の価値観や民主主義が達成したものであるという表現、その態度に崇高なものを感じます。同時に leadership を発揮するということは、I でものを語るということではなく、We で思想や哲学を共有することだという基本にも気づかされます。 2017年の自分の仕事への向かい方、そして職場や様々な人々との関係の中での leadership の取り方の基本として肝に命じたいと思います。
0 コメント
返信を残す |
Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
Categories |