今月の初めにWhy Be Happy?という新刊が出ました。著者は臨床心理学者で作家のScott Haasという人で副題はThe Japanese Way of Acceptanceです。
様々な出来事や日常を容認することUkeireruが幸福への鍵と説いています。たとえば日常生活の中の沈黙や物事を観察する場合もUkeireruことと解説にあります。英語的に発音すると日本語の「う」にはなりにくいUから始まる言葉をあえて選んでいます。 質問です。
先日の九州豪雨で被害を受けた男性が、苦笑ではない穏やかな笑みで状況を話されている様子がこちらでも報道されました。そして、阪神淡路や東日本の大震災後には海外の多くの記者が日本人の「穏やかさ」を取りあげていたことを思い出します。 The sense of vulnerability has bred a stoicism that can be seen in the streets of Kobe today. "Shikata Ga Nai," the Japanese say, "that's just the way it is; it can't be helped." Natural disasters may just be a matter of "unmei" - fate - a word that, when it is written, is composed of the characters for movement and for life. (The New York Times, 1995年1月22日) 日本の社会で育ち仕事もしさらに外から観ると、人々の持つ柔軟性や忍耐の幅は相当広いと感じます。風土や文化がそのような芯の強さを醸し出したことは確かですが、社会が無意識のうちにその幅や程度を要求している場合もあるように感じます。子どもたちの通学を例にあげると、1年生から自分の責任と周囲の期待をしっかりと「受け入れ」ています。先生方が自主的に「受け入れ」られている献身的な勤務実態について言えばもはや海外の比ではありません。 日本の社会や組織の中で決定権を持つ者、指導的立場にいる者は、人々が様々な物事を受け入れることを当然のことと期待しないこと、適切で平等な措置や方策を用意すること。一方人々は物事を容認する前に事実や道理と照らし合わせること、そして不明確な点は質問をする習慣を持つことで日本社会の持つ強さの相乗効果が増すのだろうと考えます。 World Happiness Report (2016-2018)では日本は58番目でした。感覚的な解釈ではなく本当に人々が幸せだと感じなければ意味がありません。
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Author萩原 伸郎 Archives
12月 2024
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