私たちはある種の枠組みや範囲の中で生活をし学習や仕事に従事します。思考形態や行動様式をある程度規定するのもその枠組みの中にいるからと考えられます。種としての人間が生存率と持続性を高めるための本能とも言えるかもしれません。
独自性の高い創造的、革新的な思考や行動をするためにはその枠から出ること Think outside of the box が必要だと考えています。Challenge Based Learning を通して9年生に challenge させていることです。とりわけ Start Your Own Business という課題では生徒たちが提案してくるideaについて、こだわった質問を投げかけました。たとえば、各自が焼いてきたお菓子を売るという案を出してきたgroupには、あなたたちの独自性、商品の特徴、売り手を引きつける要素は何ですか、というような内容です。Groupにもどってそれらの質問を土台としてさらに高度な案を練ってくる者たちと、その壁を越えられずに意気消沈してしまう生徒たちがいます。 今年は「付加価値」をつける案に行き着いたgroupが多くありました。そのうちの二つは偶然ですが、歌うことが好きだったり楽器が弾ける生徒たちがたまたまいたことで、live musicを提供するという案を導き出してきました。いよいよ当日。開店当初はお客さんがまばらでしたが、しばらくすると音楽につられてたくさん人垣ができ、用意したものは完売でした。さらに、演奏のお陰で昼休みが一層楽しく和やかになりました。その様子をこの動画にまとめました。今回のbusinessで自分の演奏について周囲からどう見られようとも意に介さずに行動したことも勇気のあることだと感心しました。 「創造性を豊かに育む」などのような常套句は蔓延していますが、実際にそれがなぜ必要なのか、何を意味しているのかという熟考をもとに実践を積み上げていく必要があるでしょう。 質問です。 ① 生徒たちは学校生活や学習活動を通して一定の枠の中だけで考え行動することが多いでしょうか。それともそれを越えるように促されていますか。 ② 先生自身は枠を越えた自由な発想を持つことや慣習にとらわれない行動をすることにためらいがありますか。それとも常にそれを心がけていますか。 生徒たちが自分を表現する方法とその手段を知っていることは大切なことだと思います。教師として学校として、様々な創作・創造的な表現活動の機会を用意すること、その中から生まれ出てきたものを高く評価することを心がけたいと思います。 昨晩観た Cirque Du Soleil も人間の表現能力のすばらしさを謳歌していました。そして、演技、音楽、衣装、構成、すべてが Think outside of the box でした。
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Author萩原 伸郎 Archives
6月 2023
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