1年間留学に行っていた生徒と話す機会がありました。その中で、現地の高校生がクラスでの発表の際に、気持ちが不安定になるからという理由で拒むことが多くあったということを一種の驚きとして話してくれました。
その話を聞いて、Australiaの教室でもそのような事例がよくあったことを思い出しました。そのほかにも試験などでも同じ理由で受けられない子どももいました。 質問です。 ① 子どもだけでなく大人も含めて、どちらかと言うと苦手なこと、嫌なことにも向かっていく力や動機を生むものは何でしょう。住んでいる地域の環境や学校の文化はどのような影響を持つでしょうか。 ② もしクラスの子どもが、発表ができない、試験を受けることはできないと訴えてきたら、教師としてどのような対応をするでしょうか。学習活動や評価を計画する際には常にそのような可能性があることを予測する必要性があるでしょうか。 日本で生活してみると1年のうちで本当に気持ちの良い季節は意外に短いことに気が付きます。そして、学校に通う子どもたちは雨が降れば靴下を濡らさずには学校に着かないこと、重い荷物を背負って通わなければならないこと、通学に長い時間がかかること、拾い上げると負の要因が何と多いことか。 けれどもその生活環境が、たとえばAustraliaのような恵まれた環境で生活する子どもたちと比較して、子どもたちの精神や身体を逞しくしているのだろうというぼんやりとした仮説を持つようになりました。先週のPodcastで自分の将来の計画を話してくれた12年生の話の中にも、つらいことを跳ね返す強さと逞しさを感じました。自分ではどうすることもできない環境や状況の厳しさに直面すること、それがたいへんなことにも負けない勇気や根気 Grit、回復力 Resilience を生み出すひとつの重要な要素のような気がします。 “We all face limits - not just in talent, but in opportunity. But more often than we think, our limits are self-imposed. We try, fail, and conclude we’ve bumped our heads against the ceiling of possibility. Or maybe after taking just a few steps we change direction. In either case, we never venture as far as we might have.” Angela Duckworth (2017) Grit 私たちは誰でも、才能だけでなく、機会においても限界に直面します。しかし、私たちが思っている以上に、その限界は自分で作り出していることが多いのです。挑戦し、失敗し、可能性の天井に頭をぶつけたと結論づける。あるいは、ほんの数歩踏み出しただけで方向転換してしまう。そうして結局のところ、私たちは遠くへ行くことはできないのです。
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Author萩原 伸郎 Archives
10月 2024
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