2年前にDenmark各地の中等教育学校を訪問しました。その際に目にした斬新な校舎の設計や構造、家具、校内にあふれる本物の芸術作品群に驚き、日本にもAustraliaにもない教科に驚きました。
その時に案内をしてくれた先生に様々な質問をしましたが、帰国してからも次々に疑問が浮かびあがってきました。そこで再び訪れて、じっくりと学習活動を見せてもらうことにしました。 その疑問のひとつはどの教室にもあるLEGOをどう活用するのかということでした。とうにその種の遊びを卒業した高校生がどのように向き合うのか、価値のある活動になるのだろうか。2年生のBusiness Caseの教室でその例を見ることができました。3、4人で構成するグループで企業が抱える問題点の分析をして改善点を探り当てるという大きな課題解決学習を始める前の導入として、各自のExpectations (目標、意気込み、期待) をLEGOで表現するというものです。 質問です。
先生が簡単に説明すると短い歓声があがりました。LEGOを使うのが好きなようです。青い受け皿に使いたいLEGOの部品を集めると作業が始まりました。いろいろ考えながら、まわりの友だちとかかわりながらそれぞれが自分のExpectationsを表現しました。 HarvardのProject Zero teamが提唱するMaking Thinking Visibleを数年前から自分なりに実践してきましたが、具体物を使うことは試したことがありませんでした。頭の中のぼんやりした考え、抽象的な思考や感情、感覚を具体的な形にするという活動の意味を深く理解するべきでした。何よりもその楽しさに気づくべきでした。"if we are going to make thinking visible in our classrooms, then the first step will be for us as teachers to make the various forms, dimensions, and processes of thinking visible to ourselves.” (Making Thinking Visible) グループ内で各自が表現したものを発表し終えると、Google DocにグループとしてのExpectations に集約し、それに一人ずつ署名をして先生に提出しました。今後の進捗をその先生に知らせてもらうことにしました。 この教科の担当の先生は年間20社程の企業と協働して実際の問題点を生徒たちに提供しています。本物の課題、生きた学習 (Authentic learning) の実例だと思いました。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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