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Innovation

29/8/2020

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小学校の時間割の中で、理科はめぐってくるのが楽しみだった科目のひとつです。いつも白衣を着ている長身の理科専科の先生は発明工夫クラブの顧問でもありました。4年生になるとその発明工夫クラブに入って、いつも発明の可能性を探して何かを作り出すことを考えていました。

毎週クラブの時間にはそれぞれが頭の中にあるアイデアを発表します。ある時みんなの発表が終わった後、先生が私たちに「電池やモーターを使うことだけが発明ではないんだよ。」と話されました。

当時の小学生にとって、電池やモーターは手が届く範囲にある最新のTechnologyでした。そしてそれらを使うことで発明が可能になると考えていました。

質問です。
  1. 2020年の現在、当時の電池やモーターに匹敵するTechnologyは何でしょうか。
  2. 社会や学校で頻繁に使われる「はやり言葉」や標語の中で、それらが使われる文脈上の意味と実態が明確で、人々の共通理解も獲得していないものは何でしょうか。

Finlandに拠点を置く教育研究のNPO (HundrED) が世界中の教育実践の中から革新性の高いものを毎年100例選んで発表します。その選定に今年もかかわりました。世界の各地からの応募を読み始めて間もなく、はやり言葉の組み合わせで短絡的にある意味を敷えんしていることが気になりました。たとえばTechnologyとSTEAMがInnovationを生むという論理です。

経済産業省の「未来の教室」実証事業に目を通していた時も同じ感想を持ちました。とりわけSTEAM化と個別最適化という雑駁な表現は注意が必要だと思います。

現状を変えることができるという可能性を信じ使命感と熱意を伝えていることには称賛に値します。しかしながら、教育のInnovationは機器の導入や共通理解を築いていない言葉を連呼するだけでは到底なし得るものではありません。根本的な構造改革Paradigm shiftをしなければ世界の教育先進国が進める「個別最適化」などは不可能です。

6年生になって、発明工夫クラブの部長になりました。秋にある東京都発明工夫展に部員全員が出品します。アイデアがなくて困っていた部員に私が持っていた案をそれぞれあげました。秋葉原に行って電気部品を買って作った自分の発明は入選しませんでしたが、私の案を製品化(作品化)した部員は皆入選しました。それらのすべてが電池とモーターを使っていない作品でした。
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    萩原   伸郎

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