先週に引き続きAdam Grantの新著 Think Again (2021) から考え始めたいと思います。
Beware the “I’m-not-biased”bias: recognising the flaws in other people’s thinking, but assuming you’re immune. The less biased you think you are, the less likely you are to catch yourself. If knowledge is power, knowing what you don’t know is wisdom. 「偏見や先入観は持っていないという先入観に注意してください。これは、他の人の考え方の欠点を認識しながらも、自分にはその影響がないと思い込んでしまうことです。自分が偏っていないと思えば思うほど、自身の考えを正しく認識する可能性は低くなります。知識が力であるならば、自分は(すべての物事を)知らないということを知ること自体が知恵です。」 私たちは日常の業務を通してたくさんの対話や文書のやりとり、そしてmailを処理しています。残念なことにinboxにあるmailの中には棘や毒のあるものが多く混ざっているのが現実です。 そしてそれらのmailに共通していることは「知らないということを知っていない」という事実です。 質問です。
職場や保護者には先週取り上げた「説教者」と「検察官」の意識を持った人がいるようです。全体から見ると少数ですが、それらの人々の対応にかかる時間と労力は計り知れません。 けれども、悪いことばかりではないという経験もあります。私が大学を卒業して初めて受け持った学級の第1回目の授業参加・父母会で、あるお母さんが口火を切りました。「先生の板書や交換日記に書く字は下手ですね。」 習字教室の先生をしているこのお母さんは翌日から1枚のペン字ワークシートを娘に持たせ、それを私に課しました。下校までに練習をやり終えてその子に渡すと、翌日には一字一字朱の入ったワークシートと新しいものが教卓の上に載っていました。 このやりとりが1年間続き、年度最後の授業参加・父母会でこのお母さんは開口一番「先生の字はとても上手になりました」と誉めてくださいました。このお母さんは私の悪筆にreactしたのではなくproactしたのでした。
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Author萩原 伸郎 Archives
12月 2024
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