私学展という学校説明会に初めて参加しました。各学校の力の入れようはポスター、揃いのユニフォーム、看板、椅子のカバーなどの小道具から小冊子、おみやげ、特製の袋などによくあらわれています。会場は観光地の目抜き通りのようなにぎわいで客引きの呼び込みの声であふれています。押しの強い勧誘ぶりは玄人肌です。
外国人の非常勤講師まで動員して、大看板を持たせ一番前に立たせている学校もいくつか目につきます。それが学校の実像であるような印象を持ってもらおうとしたのでしょうが、実際には、後味の悪い虚像を見せつけることになりました。 この3日間は、生徒獲得に知恵を絞って総力をあげる日本の私立学校の現状を初めて観察する体験になりました。同時にこの虚しい行事を通して2つのことを考えました。 質問です。
会場にひしめく95校は、私たちの学校も含めて、おそらく良い学校でしょう。けれども突出してすばらしい学校と言えるところはないのだろうと感じました。どの学校も基本的に同じで、本当に他校とは異なる教育実践をする勇気と情熱のある学校はないのだろうと漠然と感じました。現役大学進学率や有名大学進学率など多種多様の数字が学校の文化や価値、教育力の客観的評価基準にはならないという当然の事実を見失っている特殊な空気が充満していました。 企業の経営や成長が専門で教育とはまったくかけ離れていますが、Jim Collinsの指摘は学校の経営やbrandingに共通する点がたくさんあります。 “The good-to-great companies understood that doing what you are good at will only make you good; focusing solely on what you can potentially do better than any other organisation is the only path to greatness.” Jim Collins (2001) Good to Great 「最優良企業は、得意なことをやっていても良い企業にとどまるだけであること、他の企業よりも確実に良くできる可能性のあることだけに集中することが最優良企業への唯一の道であることを理解しています。」
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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