秋の穏やかな夕日がぽっかりと校庭を包んでいます。秋と冬のシーズンの境目でスポーツチームの練習がないので、あちらこちらで自然発生的にグループができていて、子どもたちが嬉々として遊んでいます。既に下校時刻は過ぎていました。
中高生の時に放課後にみんなと校庭で遊んだことがあっただろうか。 6時になったので玄関まで降りて行くと、子どもたちがそれぞれ放課後にしていたことを終えて帰宅していきます。しばらくすると8年生のグループが固まって現れました。その真中にいる女の子は足を怪我したようです。 駅まで19分の道のりをどうやって行けば良いか話し合いが始まりました。タクシー会社に電話をしたり、別の子が親に電話をして迎えに来てくれるかどうかたずねたり。結局みんなで交代に背負って駅まで行くことになり、学校を出て行きました。 中高生の時に誰かを親身になって助けたことがあっただろうか。 質問です。 ① 今の中高生が明らかに同年齢の頃の自分と比較して異なっていると感じることがあるでしょうか。子どもたちは、どのように異なるのでしょうか。その理由は何でしょうか。 ② 中高生の頃や20代の初めの自分自身の思考や行動、価値観に大きく影響を与えたものは何だったでしょうか。 “the world of the Zoomer, of Generation Z, has been shaped by a succession of major crises. They were four when the Global Financial Crash erupted, six when the Eurozone sovereign debt crisis followed, ten when the refugee crisis began, twelve when the votes for Brexit and Trump shocked the world, sixteen when Covid-19 and the lockdowns descended, and eighteen when the war in Ukraine and a global energy crisis followed. For them, so far, the world has been volatile, polarised, unpredictable, and chaotic.” Matt Goodwin (2022) この筆者は英国に住んでいるのでEuropaからの視点で描かれていますが、確かにZ世代にとってはこれまでの年月は大きな危機の連続でした。そしてZ世代の意識には、世界は変化しやすく、二極化していて、予想がつきにくく、混沌としたものとして受け止められているはずです。そしてこの世界で生きるために、過去の世代の負の遺産を背負わなければならないのもZ世代です。 教室の机の上の子どもたちのファイルに、戻ってきたテストが挟まっていました。許可をもらって広げてみると、単元末テストでした。そこにあるすべての問題の解答は名詞、つまり単語だけですむものでした。このような知識の断片のみを暗記させられるような学習をしていては、この子どもたちが直面するであろう問題を解決するような能力や考える習慣を育むには道のりは遠いと感じました。
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Author萩原 伸郎 Archives
10月 2024
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