Semesterのまとめの時期になりました。先週10年生の試験官をしました。入室時刻に全員を入れ、着席したところで細かく記述された規則を読みあげます。例えば、携帯電話を持っている場合には試験の前に試験官に差し出さなくてはいけません。試験の扱いは厳格です。
試験問題を読む時間が10分間あり、試験開始です。全員の頭が下がりました。長距離走者を送り出すような感覚を持ちました。 黙々と問題を解く生徒たちを見ながら、この子はきっと本人が満足する点を取るのだろう、あの子はちょっと危なそうだなどと直感しました。教師をした人ならば、採点をする前に結果の予想が立つことを体験的に知っています。問題は、このような評価方法を学習の成果を判定する方法の一つとして今でも使っていることです。 私たちの学校ではSemester試験の結果は評価全体の20~30%にとどまり、そのほかに多くの評価項目があるのが救いですが、Ideas 81で書いたように評価の方法を根本的に改革した国もあることを考慮すると、道はまだ長いと感じます。 質問です。
この日試験官をした唯一の収穫は、その教室にあったA3のポスターを見つけたことです。そこにはFind joy in the ordinaryとありました。平凡な毎日の生活の中に喜びや非凡な何かを見つけることをいつも心がけてきました。が、しばらく忘れていたような気がします。 大野直子さんの詩の中からも同じ態度が読み取れます。味噌汁 味噌汁をおいしくするコツは おたまにひとすくい 夕焼けを入れること 味噌の雲がもくもくと湧いて ネギの葦原が波立って シジミが青いため息をつく お鍋はたちまち シジミの棲んでいた 夕暮れの汽水湖 仕上げに 今日いちにちの苦笑いを押しこめて、蓋 へへへへへ と立ちのぼる 湯気といっしょによそいます そのようなしなやかで芯の強い心持ちで試験を乗り越えてほしいと思いました。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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