夏休みの第一週目、月曜から金曜日まで午前と午後の二枠、合計で十枠を提供し、自分たちがやりたいことを企画提案して参加者を募り、実際に運営してみんなと楽しむ。こんな簡単で単純な複合イベントを試してみました。題してFestival of Wonders。
常識的な方法を用いずに絵を描く「芸術は爆発だ」、スマホでハッとする写真を撮る「スマホでフォート」、大切な人に花束を作る「フラワーアレンジメント」、商品として売れないオレンジを農園から譲り受けフレッシュジュースを作る「ジュースショップ」、最近校内で人気の麻雀を「麻雀は人生に似ている?」と銘打って遊ぶ、デジタル新聞創刊号の作成、七夕前夜祭コスプレ大会、ナゾとき大会、プログラミングワークショップなどの個性的なイベントが並びました。 質問です。 ① 選択肢の中から選ぶというのではなく、子どもたちが純粋に自分たちがやりたいことを提案し、準備し、実行する機会や場所を保証したら、どんなことをやり出すでしょうか。それが私的な場ではなく「学校」という公的な場所だったら可能でしょうか。それを拒むものは何でしょうか。 ② 子どもたちのAgency、物事の選択権や決定権を他のstakeholders(利害関係者)と同様に持ち、物事を企画・運営する裁量権を共有すること、をどのように認め共存していけば良いのでしょうか。 学校教育の主役である子どもたちがAgencyを持つことは当然のことであり、教職員や保護者の方々、さらに地域とCo-agencyを築くことは、OECDの提案にもあるように時代の趨勢でしょう。けれども、この必然性のある動向に共鳴して教育活動や運営のし方を改革している学校は少ないだろうと予想できます。この方向性が現実のものにはなりにくいのはなぜでしょうか。 まず、多くの学校には子どもたちも先生方も自由に使える時間がない。精神的にも余裕がないこと。そして、子どもたちがAgencyを共有する意義や目的は、学校が大切にしている物事の優先順位や価値観と一致しない、という理由が考えられます。さらに、十分に準備をして失敗のないようにという完璧主義、安全管理面での入念さも影響しているかもしれません。 今回実施に移るときに考えたことは、とにかくすぐに試してみるというagility すばやさでした。 “What can I do with what I have?,” it enables us to “bypass the paralysing trap of waiting to get more in order to do more." Scott Sonenshein (2017) 「今あるもので何ができるか」、それは「より多くのことをするために、より多くのものを手に入れるのを待つという思考停止の罠を回避する」ことを可能にします。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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