Kolbe College9年生の選択必修科目Challenge Based Learningでは、今年から新しい取り組みをはじめました。これまでは課題 (Challenge) は生徒たちが主題に沿って興味・関心、問題意識、疑問点、改善意欲があるものからS.M.A.R.T. processを経て選んできました。Ideas 17で述べたように、何もかも与えられる環境に育ってきた生徒たちにとって自分から課題を見つけ出す過程は本当に骨が折れる作業です。ましてや、そこから出発して調査、分析、検証、提案まで漕ぎ着くことは14歳には容易なことではありません。
その苦労を和らげようというのではなく、その過程自体が不自然で偽物のような感覚を持ちはじめました。もっと使命感のようなもの、何か突き動かされるような意識を持たせることはできないだろうか、自分たちの提案がもしかしたら現実のものになるかもしれないという可能性を与えることはできないだろうか。 必然性の高い方法を考える中で「本物 authenticity」に向き合い「本物の聴衆 audience」に対してある種の責任を負うという仕組みを用意することが必要だという結論に達しました。その時点でさらに具体案が浮かびましたが、teenagersに社会性や公共性の意識を強く持たせるためには行政機関と協働することが理想的だろうと判断し、Kolbe CollegeがあるCity of Rockingham (ロッキンガム市役所)のCommunity Capacity Buildingという部署のstaffと協議を始めました。 Community Capacity Buildingという名称は日本の行政機関では「地域振興課」などと呼ばれる部署と共通しているようです。地域の可能性、共同体意識、幸福感、持続力を高めるという強い意志を感じる名前だと思います。この部署が中心となって様々なeventが年間を通して企画運営され大きな成功をあげています。CBLを導入した2011年から毎年この部署のstaffや市長さんに生徒たちのpresentationを見てもらってきました。 質問です。 ① 生徒たちにとって実社会に直結している本物の学習内容や学習環境は何でしょう。 ② そのような本物の学習を提供すると生徒たちはどのようにかわるでしょう。 Community Capacity Buildingの課長さんが市役所の各部署からあがってきた様々な課題を集約、選択して10項目にまとめてくれました。明日市役所のstaff3人が来校し、9年生に市が直面している課題をひとつずつ説明してくれることになっています。一方生徒たちはそれらの課題の中から一番取り組みたいものを選び同じ課題に関心を持つ者どうしでグループを組みます。9週間をかけて調査、分析、検証を続け、10週目に生徒たちが市役所へ行ってstaffや市長さん、議員さんに解決案を発表します。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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