中央教育審議会の「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方という資料には「教師に求められている資質能力の再定義」があがっています。教職員の姿として「教職生涯を通じて学び続けている」「一人ひとりの学びを最大限に引き出す教師」「主体的な学びを支援する伴走者」とありますが、これらは昭和の時代も教師に求められていた資質であり、今後も求められる普遍的な態度でしょう。ところが具体例には「教師の資質・能力の向上」と主眼が「能力」に移っています。
教師に本当に求められているものは能力でしょうかそれとも態度でしょうか。組織の一員を採用する場合に応募者の中から探るべきものはどちらでしょうか。 “The company evaluates talent based on the proposition that who you are as a person counts for as much as what you know at any point in time.” “And the best way to build something special in the workplace is to hire for attitude and train for skill.” Bill Taylor (2011) Harvard Business Review 「(例としてあげている)会社は、ある時点で何を知っているかということと同じくらい、どんな人物であるかが重要であるという主張に基づいて人材を評価しています。」「そして、職場で何か特別なものをつくるには、態度で採用しスキルを教育するのが一番です。」 質問です。 ① 私たちが仕事をする際にattitude - 物事への態度や姿勢が大切なのか、それともskill - なすべきことをやり遂げる技術や能力がまず必要なのでしょうか。日本の教育現場で教員を採用する際の選考基準としてどちらが重視されているでしょうか。 ② 現在の職業に就いた時を振り返ると、その職や役職に必要とされるattitudeとskillのどちらを自分の強みとして持っていたでしょうか。 担当教科の専門的・学問的な知識と能力が高い教師たちの中に、教職をとおして教師の仕事の本質について学び続けていないために、子どもたちの学びを引き出すことができず、子どもたちの歩幅で共に学んでいく習慣がなく、子どもたちの苦しみや悲しみを感じる感性がない例を見ます。 一方で、人としての態度を構成する感受性やりん理観、責任感、価値観、行動力の優れた例を子どもたちの中から発見することがあります。 春休みの第一日目に自由参加で呼びかけたLeadership workshopにやってきた10年生や、先週の11年生の学年旅行のリーダーたちは、必要なMindsetや態度を持ち合わせていました。中核となるものがあれば、能力は二次的なものであることを認識しました。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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