2020年1月以来中断していた研究講座を先週の日曜日に再開しました。同じ場所にいて、顔だけでなく相手の姿や仕草を見ながら話し合うことは本当に良いものだと感じました。
今回の講座は学習者の学びや知的成長を保証するための個別最適化が主題でしたが、一般的に使われる表現ではなく Differentiation 2.0 という造語にしてみました。1.0ではないのは、最近の海外の Differentiation に関する実践研究が少し変化してきていることを感じたからです。それは教師が様々な準備をするのではなく、学習者の子どもたち自身が自分の学習を創るという student agency の考えに基づいています。Equality 平等が大切なのではなくEquity 公平が個別化の基本姿勢ですが、さらに進んで、Option 選択肢を与えるのではなくChoice 選択権を与えるという考え方に動いています。 まず最初にアマチュアとプロの違いについて先生方に話し合ってもらいました。子どもたちは、無意識のうちに学習活動の中で様々なサインを出しています。教師にとってはそれらを感じ取る感性のアンテナの高さが重要になってきます。一人ひとりに目や手が届いているかどうかということが Differentiation の証拠であるならば、教師に必要とされる専門性の中では教科や指導法と同様に重要な資質でしょう。 質問です。
教師になりたての頃、土曜日の夕方に学校を出て都心の有名ホテルのロビーに座ってそこで働いている人々の様子を眺めることをよくしていました。広いロビーにはそれぞれの役割を持った人々がいて、無駄のない適切な動きをしています。そこで働いている人々の目的と意識はひとつのこと「お客様に最大の満足を感じてもらうこと」に集中していることは明確でした。 学校や教室も同様に、その存在理由である子どもたちの知的・社会的な成長に責任を持つという使命に忠実になればなるほど専門性は上がるでしょう。責任を持つということは、すべてを背負うというのではなく、何が可能でどうすれば良いかという思考から始まると思います。個別化をする必要性は誰もが認識している事実ですが、なぜ実践できないのかを振り返ることが専門性を高める一歩のような気がします。 今回の研究講座のpresentationはこちらをご覧ください。
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Author萩原 伸郎 Archives
10月 2024
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