最近別々に読んだものの論点がつながりました。一つ目は人間を取りまく「世界」と人間の内側の「世界」についてです。私たちが「世界」をどう見るかは私たちの内側の感情のあり方に強い影響を受けるということ。そしてその感情・感性は、その人の知識、社会認識、経験によって形成されるということ。けれども今日のCurriculum 学習内容は外的世界を重視するあまり内的世界を涵養することをおろそかにし、結果として子どもたちに無気力、いじめ、精神・情緒不安定などの問題が持ち上がっているという論理です。( Ken Robinson, 2016, Creative Schools )
二つ目は動機づけと行動についてです。物事の目的がはっきりしていると動機が生まれ、動機が強ければ大きな困難にも立ち向かう強固な意志を生み、良い結果をも生み出すということ。その際に報酬の受け手や結果の行き先を自分ではなく他者に向けること the power of self-transcendence (自己超越) で、動機がより強くなりさらなる困難にも立ち向かうことができるという論点でした。(Science of Us ) 自分の内側の世界を見つめる能力が豊かになればなるほど、他人の心の内面も感じとることができる能力が育っていくでしょう。車椅子で教室移動をしている生徒を見れば、自然と押してあげるという動作が生まれてきます。この動画のまさにその場面はiPhoneを持って立っていた時に偶然に起こったものです。また先日はSemester試験中にもかかわらず、多くの生徒たちが週末の貴重な時間を救世軍の社会鍋の募金活動に使いました。自分の行動を明らかに他者に向けているからできたことです。 質問です。 ① Curriculum 学習内容が重視する外的世界とは何を指すのでしょう。 ② 生徒一人ひとりの「世界」を大切に育てるには、そしてお互いにその「世界」を尊重する文化を育てるには、私たち教師はどんなことをする必要があるでしょう。 CurriculumについてThe International School of Brussels のMiddle School の校長先生がblogで興味深い意見を取りあげていました。生徒たちが主体的に学習活動に向かい確実な学習成果をあげるために、いわゆる主要教科を選択科目や課外活動と同じようにあつかうという提案です。主要教科に見られるような知識伝達だけの受け身の学習ではなく、身体を動かしたり何かを制作したりどこかに行って調べたり作品を発表したりする学習こそが「深い学習」だという主張です。そしてそのような学習活動と体験から得たものが卒業しても生徒たちの頭に残るのだという主張です。 まとめの文章に共感しました。 Learning is not about curriculum, content, or standards and benchmarks. It is about creating the conditions in which learners – both students and teachers – will thrive.
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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