Australiaでは12月は1年の終わりと同時に学年末でもあります。1年を振り返りながらこの学年も振り返ることになります。毎日を大切にしてきたつもりでも、年末になって残りの日数が数えられる頃になると、これまでの日々をおざなりにやり過ごしてきたような不安感がよぎります。
この時季には生徒から思いがけずcardなどをもらうことがあります。先週ある生徒が手書きの card をくれました。この生徒は毎朝 Learning Centre に来て宿題をしたり、本を読んだり、友だちと話したりしています。私の class ではないので接触は限られていますが、1年間のお礼が述べられていて最後にこうありました。 ’Your smiles & “how are you?”s always brighten my day. 私自身、日本の先生方が奇特に校門で一人ひとりに朝の挨拶をされるようなことはしていませんが、 Learning Centre に来る生徒たちにはあたたかく迎えてあげようとだけは心がけています。日々のそんな短い挨拶や会釈をこの生徒は心に留めていたこと、そしてそれを私に伝えたいと思ったこと。ささやかなさわやかな所作が、私の一日を明るくしてくれました。 私たち教師は生徒たちを育てることに集中していますが、逆に学ばされていると感じる機会は少なくありません。9年生の Challenge Based Learning の 最後の課題は Start your own business という起業活動です。実際に利益を上げて年末の募金に寄与するというものです。今週の金曜日でこの学年のすべての教育活動が終了するのに、さらに CBL では他教科のような数値での評価は出ないのに、今週はあちらこちらで最後の販売活動をしています。「できませんでした」と匙を投げずに突き動かしている原動力は何なのでしょうか。今日もある group が放課後の調理室で明日の休み時間に売る donuts を作っていました。さりげなく card をおくる心配り、最後まで諦めずに起業活動に挑戦する態度に謙虚に学びました。 質問です。 ① 生徒が自分の考え、気持ちなどを素直に伝えて来た時に、どう受けとめていますか。 ② 気持ちなどをまったく伝えてこない生徒とどのように信頼関係を築いていますか。 ③ 黙々と努力している生徒たちをどのように見極め、讃えていますか。 生徒たちに、評価や賞罰ではなく、純粋にやり遂げたいという欲求や責任感を沸き立たせることができると自発的、主体的な学習活動が可能になる、という当然の定理もあらためてこの師走に認識しました。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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