今週を振り返ると、とりわけ二人の同僚とかわした深い会話が頭に浮かびます。
一人は数学の先生です。数年前公認会計士から教職へ転職しました。慣習にとらわれずに創造的な学習活動を実践しています。火曜日の朝、誰もいないstaffroomでため息をついていました。新学期が始まって6週間、教室の生徒たちとも良い関係を築き学習を進めてきたけれども、全員が理解して習熟したかどうかに関係なく、指導計画に沿って次から次へと単元を渡り続けることや、指導計画上のassessmentsをこなすことを強いられることにうんざりしてきたともらしました。いつもの悩みが持ち上がってきたと言います。 二人目は宗教の先生です。宗教教育で博士号を持つ大御所です。この先生とはしばしば教育の根底に流れる哲学について議論をします。曰く、なぜ全員に同じassessmentsを出して同じように答えさせて同じように採点しなければならないのだろうかという疑問です。 二人との会話に共通している課題は、学習の個別化や多様化、評価に集約できそうです。 質問です。
教育行政の視点や学校の都合を第一義に子どもたちの学習のあり方を考える方法があります。その正反対として、子どもたちの興味・関心、一人ひとりの能力を中心にして学習を組み立てる方法もあります。後者の方法が21世紀型の学習形態であることは明らかです。しかもこの方法を選び実践することはさほど難しいことではありません。 今年度担当している教科の中で8年生のPhotography and PhotoshopとGame Design and Developmentを例に考えてみましょう。この時点でPhotographyの基本技術を知っている生徒やAdobe Photoshopを使える生徒はいないので全員が同じスタートラインに立って学習が始まりました。一方のGame Designはprogrammingを知っている生徒がいるので既に出発点はばらばらです。まず最初にしたことは、出発点が異なる生徒たちがそれぞれ自分に合った段階の学習を始めることができる共通のplatformを探すことでした。そしてどの段階であっても、創造力、問題解決能力、学習した技能を応用する力、難しい場面に直面した際の粘り強さを客観的に測ることのできる課題(assessment)を選びました。そして一人ひとりに到達度の自己評価をしてもらいました。もちろん、Assessmentsをする時期は各自の学習進度によって異なります。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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