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先生の感性

25/5/2018

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​中学校の休み時間の廊下で一人の生徒に、「発音、大丈夫だよ。一緒にやろうよ。」と声をかけている先生を見かけました。

中学1年生の英語の教室に入ると、その先生が子どもたち一人ひとりと会話文に出てくる単語の発音の練習に集中しています。子どもたちも真剣に先生の発音を聞き、自分の口で同じように言えるように練習しています。やがて、子どもたちは二人一組になって会話文を先生の前で発表し始めました。先生は容易には合格を出さないので、どの組も何回も挑戦し続けました。空き教室の方が使われている教室よりも多い、古い校舎の公立中学校。中学1年生の学習活動への主体的な参加と集中度は、これまで参観した中で一番優れています。この時間が終わるまでにすべての組が先生から合格をもらいました。

質問です
①  子どもたちから学習への主体的な参加意欲と高い集中度を引き出す要素は何でしょうか。
②  すべての子どもたちが学習の達成感を得るために指導者が考えるべきことは何でしょう。

小学校でも中学校でも教室や廊下に展示されている子どもたちの作品からは、多くの場合、雛形通りに書かされ、描かされた痕跡があり、無意識のうちに自由な創作を制限してしまっていることを感じます。ところが学校によっては先生の細かい配慮や感性がはっきりと子どもたちの作品や行動に表れている例を見ます。

中学1年生の教室の廊下側の掲示板に「うれしかったことば」という題で子どもたちが書いた文章が掲示されていました。「二分の一成人式のとき、家族から生まれてきてくれてありがとうと言われたとき」「おみやげは何がいいと友だちに聞いたら君が帰ってくるだけでプレゼントだよと言われてうれしかった」という素直な感動が綴られていました。思春期にいる子どもたちが自分の気持ちを安心して表現することができる学級・学年であることが感じられます。

この学校のすべての教室にある机と椅子の足には古い硬式テニスボールがはめられていて、教室で耳にする不快な音がありません。3年生の理科の教室です。水溶液の実験をしていました。ある子が流しで試験管を洗っている時に洗浄用具を入れる空き瓶をうっかり倒しました。その時です。大きな音ではなかったのに、全員が口を閉じ、動作を止めて、その音が来た方へ目を向けました。そして重大なことではないことを確認すると、また元の作業を始めました。ほんの数秒の出来事ですが、子どもたちが音に敏感なことがわかりました。

先生方の感性や思いやりは確実に子どもたちや保護者の方々に届くことを信じたいと思います。そういう学校に通う子どもたちは幸せだと思います。
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    Author

    萩原   伸郎

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