来年7年生として入学する子どもたちが、先週やってきました。所属する小学校ごとに分かれて、High schoolの学習体験をしました。面接と書類選考で入学が決まったこの子どもたちからは、期待にあふれたうれしそうな表情が見てとれます。
家庭ではもちろんのこと地域のどの小学校でも、各自がICT機器を使って学習することは一般化しています。入学前の6年生の家庭でそれらICT機器をどのように使っているか、どのような約束事を保護者と交わしているか調べる絶好の機会です。 今回の6年生からは8割以上の家庭で携帯電話やiPadなどの機器の使い方について約束があることがわかりました。中には「僕はいつでも好きな時に使っていいんだ。」と公言している子どももいますが、面と向かって詳しく聞くと、使って良い時間等の約束事がありました。従って、実際には更に多くの家庭で何らかの規則を設けているとみたほうが良さそうです。 質問です。
日本の公立小学校で教師をしていた1980年代に、父母会でよく話し合ったことの一つが、子どものテレビ視聴についてでした。毎日テレビの前にどっかりと座って長時間見ている我が子を何とかしたいというのが本音でした。 この日もその話題が出てきました。遠まわしに担任の私にもっと宿題を出してほしいということを伝えたかったのかもしれません。親がテレビの電源を切れば済むことでしょうと心の中で反論していると、あるお父さんが口を開きました。「子どもにテレビを見るなと言って消してしまうことは簡単なこと。大切なことは、テレビに代わる何か意味のあること、子どもにとっておもしろいものを提供できるかどうかが問題なんです。私はそういうものを自分の子どもたちのためにいつも探しているんです。」 ICT機器の使用について家庭や学校で規則を設けることは必要なことだと思います。しかしながら、前提としてゲームや動画などの娯楽を「消費」することに制限をつけるという考え方は、80年代のテレビの議論と進歩がないことに愕然とします。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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