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基点となるべきこと

18/5/2018

 
​可能な限り「授業」という言葉を使うことを避けています。「授ける」という文字が示すように、指導者が学習者に「教え」や「知識」を授けることを意味するからです。21世紀の学習の特徴は両者を水平な関係に置くことだと考えます。

これまでの学校訪問で参観したすべての教室で行われていることは「授業」です。正確に表現すると「一斉授業」です。先生方はこの「一斉授業」を完成させるために教材研究をし、指導技術を磨き、教室で声を出し、たくさんの板書をします。精一杯の努力をされていることはこちらにも十分伝わります。しかしながら、先生方の教育観、学習観の基点は「私は子どもたちに何を教えようか」から始まっています。

学校での学習の主体者は子どもたちだということは説明を待つまでもないことです。そして、子どもたちは一人ひとりの顔や性格が異なるように、能力や興味・関心も異なるという認識も一般的でしょう。それらの事実に基づいた学習活動を実現するためには、先生方が、目の前の一人ひとりにとってどのような内容をどのような方法で学ぶのが一番良いかという観点を持って、毎時間の学習を計画することでしょう。それが基点であるべきです。

質問です。
①  「一斉授業」と「一斉指導」の違いは何でしょうか。
②   社会は「一斉」ではなく「個に対応」することに莫大な労力を費やし細やかな意識を広めていま す。学校や教室はどうでしょうか。  

中学校の支援学級で理科「温度計の使い方」の学習をしていました。子どもたちにとって一番むずかしい目盛りの読み方の場面で、先生は強引に答えを教え込んでいました。温度計の持ち方、温度計の位置(高さ)についても答えを伝えています。この先生にとっては「この時間に何を教えようか」と考えた「準備」通りに進行した満足度の高い授業だったでしょう。けれども「…さんにはどのような課題が適切だろうか」「…君にはどこまで掘りさげた質問が適切だろうか」と考えて学習活動に入れば、子どもたちにとって達成感の高い理科の学習になったでしょう。

学習の個別化・多様化は、先生の Growth Mindset 、一人ひとりの子どもたちとの人間関係、互いに尊敬しあい認めあう誰にとっても安心感の高い教室環境を築けば、少しずつ進めることができます。

全員に向かって「わかりますか」「ついてきていますか」「これは前の時間にやりましたね」のような発問をよく耳にします。先生は子どもたちに確認しているつもりですが、この種の発問に反応するのは数名です。一番助けを必要としている子どもは多くの場合何も言いません。

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    Author

    萩原   伸郎

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