Debateの世界大会の地区予選が学校で開催されているので見に行きました。対する2つのチームには提示されたstatementについて15分間の準備時間を与えられます。Device (internet) を使ってリサーチすることも可能なので、両チームは賛成か反対の立場でどのように議論を展開するかを考え、適切で説得力のあるデータや資料を懸命になって集めます。
この15分間にgenerative AI を使っていたチームはありませんでしたが、もし使うとすると強力な道具になるはずです。そうすると人間がdebate大会で挑戦する目的は何になるのでしょうか。 “The dilemma for educators is that routine cognitive skills, the skills that are easiest to teach and easiest to test, are exactly the skills that are also easiest to digitise, automate and outsource.” Andreas Schleicher (2018) 教育者にとってのジレンマは、最も教えやすく、最もテストしやすい定型的な認知能力は、まさにデジタル化、自動化、アウトソース化しやすい能力であるということです、という指摘通りの状況になりました。 けれども学校や教育行政は、この現実に直面せずに、より正確に表現すると、教育や学習の本質的な目的を直視せずに、ICTの活用を試験などの場面で規制するという方法でごまかしてきたように感じます。 一方、ICT推進派の議論も怪しいものです。ある教育研究団体のAI活用についての白書のまとめにはこうありました。 “Ultimately, AI can help create a more equitable, effective, and enjoyable learning environment for all students.” Getting Smart (2023) 質問です。 ① 10数年前から各学校で本格的に始まったICTの導入で「より公平で効果的で楽しい学習環境 」をどの程度実現しているでしょうか。評価基準となる共通の指標があるでしょうか。 ② 学校で「より公平で効果的で楽しい学習環境 」が十分に実現されていないとすると、その要因は何でしょうか。 ③ AIを教育に活用して「より公平で効果的で楽しい学習環境 」を具現化するという表現は、単なる宣伝文句でしょうか。どのような方法が可能でしょうか。 さて、先週World Economic Forumが発表したThe Future of Job Report 2023には恒例のTop 10 Skillsや職種の将来像などがありました。ここから、これまでにはない変化を読み取ることができました。これも一過性のtrendでしょうか、それとも本当に社会がその方向に動いているということでしょうか。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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