日本で仕事を始めてから、以前には毎週聴いていたpodcastの番組がたまっていることに気がつきました。毎週末に翌週の5日間に着るシャツのアイロンがけをしながらpodcastを聴いていましたが、その習慣がなくなったからです。
通勤途中にあるクリーニング屋さんが安く早く仕上げてくれるのでその便利さを手に入れた代償として価値のある習慣が消えたのでした。 質問です。
80年代の学校では年度始めの仕事の一つに学級内の電話連絡網を作成することがありました。そして教務担当の先生からは教職員の電話連絡網が回ってきました。 今ではgroup mailですべての保護者や教職員に瞬時に情報を配信することができますが、そのことで何か失ったものはないでしょうか。不都合が生じていないでしょうか。不便になったことはないでしょうか。 「長い道程の中で考えつづけた一つは、いったい進歩というのは何であろうか、発展というのは何であろうかということであった。すべてが進歩しているのであろうか。停滞し、退歩し、同時に失われてゆきつつあるものも多いのではないかと思う。」宮本常一 (1993) 一人ひとりの社会的・個人的習慣を育む場所であり、集合体として価値観や文化を育む場所である学校は、便利、進歩・発展、停滞、退歩という座標軸 (quadrant matrix) を持って繊細で影響度のある物事について分析する習慣が必要だと思います。そして、便利であると同時に進歩・発展でもあるように工夫する努力も必要でしょう。 さて、1週間の思考の糧となるpodcastを聴く習慣を取りもどすために、シャツは週末に家で洗いアイロンをかけることにしました。クリーニング店から受け取るシャツにかぶさっているおおげさなビニール袋やプラスチックハンガーからも遠ざかることができるので気分は上々です。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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