8月下旬に、文化祭のクラス企画に「会話の苦手意識を自分の強みへ変える」という課題を選んだ東京の中学生とZoomで話し合いました。夏休みの最終週に学校に来て準備をするという責任感や自主性、面識のない人とonlineで話し合うという発想と実行力をみただけでも「苦手意識」という表現とは正反対の自信に満ちた15歳だと感心しました。
会話をする際に焦ってしまう、気まずい空気になってしまう、初対面の人に話しかけるのに抵抗を感じる、という自分たちの弱さがクラス内の調査から明らかになったのだそうです。 今週Unicefの報告書 Worlds of influence を読みました。日本の15歳の子どもたちが現在の生活に十分に満足している度合いは62%、気軽に友だちをつくることができると答えた割合は69%とどちらもOECD加盟国との比較では下から2番目の低さでした。 質問です。
子どもたちの苦手意識とUnicefの報告書にある生活の満足度の低さには相関関係があるような気がします。子どもたちのMindsetや学校の文化、社会や家庭の価値観と慣習が15歳のMental well-being とSocial skillsに負の力が働いているように感じます。子どもたちの苦手意識や満足度は子どもたち自身の問題というよりは、社会の健全性を映し出す鏡と判断した方が良いのではないでしょうか。 さて、会話が得意か苦手かという命題は、少々深い考察が必要になります。昨年9月末に訪問した中学校の教室で国語の教科書に目を通しました。表紙をめくると加藤周一さんの一文がありました。「この言葉には、精密な考えを展開し、微妙な感情を表現できる限りない可能性がある。」 私たちは日本語の使い手としてその「可能性」を感じとって十分に活用しているかどうか、疑問に思いました。
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Author萩原 伸郎 Archives
12月 2024
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