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違和感1

9/3/2018

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​Technologyが教育の分野に盛んに取り入れられるようになった十年ほど前、英語圏の国々から発信される教育に関係する専門書、論文、記事や発言には ubiquitous, leverage, intuitive, exponential などの言葉が溢れました。

英語にもある時期に特有の言葉が頻繁に使われることがありますが、特定の領域と読者に限られる傾向があります。日本語の場合は万人に共通し、誤用や不適切な使い方であることが多いと思います。そして言葉(単語)よりも会話の文末表現にその例を見ます。


90年代から婉曲表現が増えました。当時聞くたびに違和感を持った文末表現は「~じゃないですか。」です。敬語を用いるのと同じような効果を感じながら話し手は使っているのでしょうが、押し付けがましい印象を受けました。一般的な日本人の婉曲表現はさらに悪化しています。例えば「~かな」を聞かない会話は稀です。公共放送にあらわれる公人のinterviewでさえ「~かな」は溢れています。

質問です。
① 言葉や表現方法を意識することの意味や利点は何でしょうか。
② 豊かな言語生活をおくるためには言語の使い手としてどんな能力が必要でしょうか。

断定表現を避けようとするあまり、「です」の替わりに「~になります」も濫用されています。「春になる」のように自然にその状態になる場合に使われるべきですが、注文した料理を運んできた人は躊躇なく「~になります」を使います。他にも文末に無理矢理添えられる「~みたいな」、相槌を打つ時には「そうなんですね」など、対象となる物や話者の実像が完全にぼやけています。

大岡信さんは現代日本語で日常的に使われている語彙数が極めて少ないことについて次のように述べています。「現代人が繊細な感覚を失ったわけではないと思います。ありきたりの「美しい」という言葉でいってしまいたくないような感覚があって、それに代わるべき言葉をその人その人が探しているという場合もあるのではないでしょうか。(中略) ただここで強調しておきたいのは、日常生活の挙措動作、また社会生活において、繊細な気づかいや言葉づかいを持たない人が、それでもなお繊細な感覚を十分持っているとは言えまいということです。(『日本語相談』1990年)

あれほど耳障りな「~かな」も看護士さんが患者さんに、学校の先生が子どもに話しかける時に使われているのを耳にすると、何か思いやりの深い優しい心遣いがこちらにまで伝わって来ることがあります。しかしながら、同じ人が第三者の私に同じような婉曲表現でものを伝える時には、専門性や意志の低い頼り甲斐のない人物だと感じられてしまうのは避けられない事実です。
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    萩原   伸郎

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