歴史のテスト勉強がやばいんですと話してきた8年生に、何がやばいの?と聞き返すと、覚えなければならないことがたくさんあるからという答えが返ってきました。テスト範囲内の時代に起きた出来事について、その原因や結果を説明できるのかたずねると、それはできると自信気に答えました。
暗記することを勉強と勘違いしているわけですが、子どもたちは受け身の作業を学習と同義にとらえていることが多いように感じます。与えられている課題自体も作業である場合が多いと感じます。放課後の図書館で集中している子どもたちをのぞき込むと、反復作業に没頭しているという例が少なくありません。 質問です。 ① 教師が子どもたちに受け身(passive)の学習や作業を強いるのはなぜでしょうか。そして多くの子どもたちはそのような作業をすることに集中し、満足感を得るのはなぜでしょうか。 ② 受け身(passive)の学習や作業の対極にある学習形態は何でしょうか。その学習形態は学校の教育活動の中では依然として二次的なものなのでしょうか。 ある学校のWebinarで発表者の先生が active learningは学習動機の弱い生徒に向いている、active learningを一部導入したために受験指導が遅れた、active learningをするとノートを取らせにくいという感想を述べられていました。この先生に限らず、この学校の先生方の一般的な理解として、active learningの定義と実践可能な範囲を非常に狭くとらえていることがわかります。 学ぶことの意味、子どもたちが究極的に学ぶべき内容、習得するべき能力、そして学習の科学的な分析について、教師の専門性を高めなければ受け身の学習はなくならないでしょう。 さらに、学習者も認識を変える必要があるようです。大学生の学習効果に関する研究で、active learningの方が講義よりも学習の効果が上がっているという結果があるにも関わらず、学生は座って聞いているだけの典型的な講義の方がよく学べているという正反対の認識があることが明らかになりました。 the study shows that it’s important to ensure that neither instructors nor students are fooled into thinking that lectures are the best learning option. “Students might give fabulous evaluations to an amazing lecturer based on this feeling of learning, even though their actual learning isn’t optimal,” he said. “This could help to explain why study after study shows that student evaluations seem to be completely uncorrelated with actual learning.” The Harvard Gazette (2019) 「この研究は、講師も学生も、講義が最高の学習オプションであると騙されないようにすることが重要であることを示しています。」 学生にとっては、座って聞いているだけが一番楽だということでしょうか。
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Author萩原 伸郎 Archives
12月 2024
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