2017年の6分の5が過ぎ、11月に入りました。Australiaでは大学受験の月です。今日から日本で言うところの「大学センター試験」が始まりました。
こちらの大学入学試験の仕組みは日本とは、大きく異なります。Western Australia州を例に挙げると、外国語を除く受験可能科目は42科目。外国語は27か国語、そこから家庭生活での言語とhigh schoolでの履修内容で母国語、準母国語、第2外国語に試験が分かれます。どの外国語の分類でも4領域(文科省は「技能」と表現しますが)の配点は4等分され、口答試験も含まれます。各科目の試験時間はほとんどが3時間の完全な記述式です。基本的に午前1科目、午後1科目という試験日程で4週間続く長丁場です。 受験生は4科目から6科目まで受験科目を選択できます。そのうち上位4科目の試験の得点と学校での成績が50%ずつ加算されて総合得点が算出され、その数字から希望大学の希望学部の合否が決まります。 大学進学を希望する生徒は11年生の履修科目を決める際に、大学入試科目を念頭に選択します。体育が好きで得意な生徒はPhysical Education Studiesという科目を履修します。学校での定期試験も大学入試も実技と理論の二本立てす。演劇、Dance、美術、音楽など芸術教科も同様です。創作活動を楽しみながら実技と理論を磨き審美眼を身につけます。能力のとらえ方、学問体系のとらえ方に豊かな人間性を感じます。 質問です。 ① 日本の大学入試改革の提案の中に現行と根本的に異なる革新的な内容を見いだすことができますか。 ② 高校生だった時の学習体験の中で何が今でも心に残っていますか。今の高校生は卒業の時、あるいは10年後高校での学習についてどんなことを思い出すでしょう。 こうして好きな科目を受験科目として選んで「学ぶこと」を楽しみながら後期中等教育を終えることの幸せは、あまりにも当然過ぎて、Australia人には実感がありません。しかも2015年の統計によると56%の大学入学者は大学入試を受けずに書類と面接で入学しています。平均で18%の学生が中退しますが、大学やそこでの学問が自分に合わなかったと認識して別の方向へ進むことはごく当然のことでしょう。高等教育機関の水準はこうして保たれます。毎年の学費が学生個人の納税番号に「借金」として載るので、何となく大学に通うことの経済的なriskを一番良く理解しているのは学生自身です。
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Author萩原 伸郎 Archives
8月 2024
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