|
先週OECDが主催するWebinar 'Education for human flourishing' がありました。FacilitatorのAndreas Schleicher氏が、カリキュラムをデザインしていく中で課題として認識していることは何かという問いかけをしました。出席者の一人、Singapore教育省の教育局長は① 教員のCompetencies:知識や技能だけでなく人間性、使命感、思考力、表現力などの資質や能力 ② 教員のSkill building、受容力 ③ すでに飽和状態のカリキュラムに量的・時間的な余裕を生むこと ④ 生徒、保護者、教員のMindset の4点を挙げました。
1. カリキュラムは固定のものではなく、より良い内容にするためにデザインをしていくという意識を教員が持つことの必要性と専門性を強調していること。 2. Competencies、Skill building、Mindsetは学校組織と運営の改革、学習内容・方法・評価の改革、Digital Transformation (DX)の推進を実行する際に、持続性のある着実な成果をあげるために重要な要素であること。さらに、それらのmacroな視点に立って学校リーダーに包括的な研修やサポートの機会を提供することが必要であることも示唆している。という点で現実的で先進的な考え方です。 一方、「カリキュラムマネジメント」について文科省の解説書には「大切にすること」として、「各学校のカリキュラム・マネジメントを充実させることは、新たな取組を追加することではありません。学校の様々な業務の効率化を図ることにより、カリキュラム・マネジメントの充実につなげていきます。全教職員が持ち味を活かしながら力を合わせ、わが校の教育課程を全教職員が語れる学校づくりを通して、「社会に開かれた教育課程」の実現を目指します。」文部科学省 (2017)とあります。教育行政のリーダーの発言と文科省の刊行物にある記述を単純に比較することはできませんが、大きな隔たりがあります。 質問です。 ① 学校の文化として、個人の実践として、カリキュラムをデザインする習慣はどのように浸透しているでしょうか。内容や成果はどのように共有されているでしょうか。 ② 生徒、保護者、教員が共通のMindsetを持つことは可能でしょうか。どのような手順と方法で共通の意識や価値観を持つことができるようになるでしょうか。 異なる興味・関心、思想・信条、立場・利害を持つ人々が同じMindsetを持つためには、対話をもとにした心理的安全性を確保することが最優先されます。しかも、そのような土壌づくり、準備が不可欠です。前回問題提起をしたDXの推進に際しても、先の教育局長の発言と根本的な部分で一致している論説がありました。
このような全体を俯瞰した周到な準備と過程を加えたRoadmapを通して、DXや学校改革が成功するのでしょう。自分のこれまでの取り組みには欠けていた要素であったと振り返っています。 コメントの受け付けは終了しました。
|
Author萩原 伸郎 Archives
3月 2026
Categories |
RSSフィード