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北半球では夏休みが終わり、新しい学期が始まった、あるいは始まろうとしている時期でしょうか。久しぶりに会う子どもたちは休みの間に背が伸びていたり顔つきがかわっていたり、それらを発見するたびに成長期の人間を相手にする仕事に就いていることにおもしろさを感じると同時に、大きな責任を感じる時でもあります。
質問です。 ① 学期の最初に子どもたちに何を話しますか。どんな質問をしますか。 ② 休み前の学期で学習した内容を子どもたちは正確に覚えている、身につけていることを期待しますか。それとも忘れていても仕方がないという心構えを持ちますか。 学校での教育活動は「学習の科学」に基づいた実践が行われる必要がありますが、実際には非科学的な、言葉を換えれば旧態依然の慣習を継承していることが多いように思います。今日は学びの科学に基づいた実践例として Retrieval Practice (想起練習) について考えたいと思います。 "Retrieval practice is a strategy in which calling information to mind subsequently enhances and boosts learning. Deliberately recalling information forces us to pull our knowledge "out”and examine what we know. For instance, I might have thought that I knew who the fourth U.S. President was, but I can't be sure unless I try to come up with the answer myself (it was James Madison). Often, we think we've learned some piece of information, but we come to realise we struggle when we try to recall the answer. It's precisely this "struggle" or challenge that improves our memory and learning by trying to recall information, we exercise or strengthen our memory, and we can also identify gaps in our learning." Pooja Agarwal (2020) How to Use Retrieval Practice to Improve Learning 「想起練習とは、情報を意識に呼び起こすことで学習効果を高め強化する方法です。意図的に情報を想起させる行為は、学習者に既習知識を「引き出す」ことを強制し、自分が何を知っているかを明確にします。」 このRetrieval Practiceの理論に基づいて新しい学期の最初に子どもたちへの問いかけを考えると、「夏休みの間に何をしましたか」ではなく、「夏休みに学んだことは何ですか」が適切な問いになるでしょう。そして、学んだことをふたつ挙げてもらうと、子どもたちの思考をより活性化させることにつながるようです。まず最初に、先生ご自身が休み中に何を学ばれたのかをお話しされてからこの問いかけをすると、子どもたちにとってこの質問がより身近なものになるでしょう。 私は子どもたちに質問を投げかけた時に、Think-Pair-Shareという3段階を取ります。これもRetrieval Practiceのひとつですが、まず自分一人で考える・振り返る時間を与える、次にペアでその内容を共有し合う、最後にグループやクラスで発表するという手順で進めます。子どもたちのMetacognition を鍛え、心理的安全性を確保することに効果があります。お試しください。 コメントの受け付けは終了しました。
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Author萩原 伸郎 Archives
10月 2025
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