|
学校の教育活動の基本理念をもとに策定されたVision for Learningのような構想や方向性は、学校コミュニティの中で共有され、具体的に挙げられているCompetenciesが日常の教育活動を通して系統的に指導され評価されることによって、理念が現実化され子どもたちが必要な能力を獲得するという一連のつながりについて先週述べました。
系統的な知識の習得を確実なものにするためにカリキュラム、学習活動、評価という要素が有機的に連結されています。それと同様に、Competencies 能力や資質の獲得も3要素の中に含まれ、多くの教室で実践されているはずです。しかし教育評価の対象は常に評価しやすいものに重点が置かれるという慣習から、正しく測定することがむずかしいCompetencies の評価は見過ごされてきたように思います。 この点についてYale UniversityのGordon名誉教授は次のように指摘しています。 "we have been evaluating the outputs of education while neglecting the processes of learning that produce those outcomes. The result is an underutilisation of assessment's potential: its potential to guide teaching, to inspire students, and to support the cultivation of intellective competence–that is, the capacity and disposition to use knowledge and thinking skills to solve problems and adapt to new challenges." Edmund W. Gordon (2025) Toward assessment in the service of learning 「私たちは、教育の成果を評価する一方で、その成果を生み出す学習のプロセスを軽視してきました。その結果、評価が持つ可能性 - すなわち、指導を導き、生徒を励まし、知的能力つまり知識と思考力を活用して問題を解決し、新たな課題に適応する能力と姿勢を育む可能性 - が十分に活かされていないのです。」 質問です。 ① これまでにCompetenciesの直接的・間接的な獲得をねらって実践された学習活動の中にどのような成功例や予想通りに展開しなかった事例があるでしょうか。その際にどのような評価方法を採用されましたか。 ② 教科学習の中で、どちらかというと主観的に拾い上げた子どもたちの努力やがんばりを「努力点」として点数化する習慣がありますが、Competenciesを正しく評価するという観点で考察するとどのような仕組みや方法があるでしょうか。 "If our aim is to understand learners' thinking and guide their progress, we must look beyond right-or-wrong answers. We need to examine process: How did the student arrive at this answer? What misconceptions were revealed in their intermediate steps? How did they respond to hints or setbacks?", "Our assessment systems should ultimately aim to foster and capture these broad competencies: critical thinking, adaptability, creativity, and the capacity to learn how to learn.” Edmund W. Gordon (2025) 「学習者の思考を理解し、その成長を導くことが目的であるならば、正誤という結果だけにとどまらず、その過程にも目を向ける必要があります。具体的には、次のような点を検討する必要があります。その生徒はどのようにしてこの答えにたどり着いたのか?その過程でどのような誤解が明らかになったのか?ヒントや挫折に対して、どのように対応したのか?」「評価システムは、最終的には、批判的思考力、適応力、創造力、そして「学び方を学ぶ」能力といった幅広い能力を育成し、把握することを目指すべきです。」 多くの教育者が時間を厭わず細やかな個別指導を実践されてきました。私たちはそれらの実践例に触れるときに大きな感動があります。しかしながら、組織としての学校を考えた時、現在の最大の可能性はAIの活用にあると考えます。 AIを積極的に活用する学校の一例としてAlpha Schoolがあります。ここでは子どもたちはMastery based AI tutorと毎日2時間の教科学習をします。その後はlife skills (リーダーシップ、チームワーク、起業、プロジェクト)の活動に時間を使います。Joe Liemandt校長のインタビューです。 コメントの受け付けは終了しました。
|
Author萩原 伸郎 Archives
4月 2026
Categories |
RSSフィード