猛暑や異常気象の報道や情報に連日ふれている私たちは、あたかもこれが日本だけの出来事であるかのような錯覚を持ってしまいます。けれども今までにはない猛暑は世界的な現象で、各地で惨状が起きています。
日本の報道機関から発信される内容が著しく内向きであることが大きな要因のように感じますが、子どもたちの視野を広げること、意識や関心の範囲を広げるにはどうすれば良いのかということを考えています。 質問です。 ① ご自分の思考や判断の基準となる信頼性の高い情報源をどうやって探しましたか。それが本当に信頼できるものなのかをどうやって立証しましたか。子どもたちは、信頼性の高い情報源を探す方法や情報の質や正誤を見分ける知識をどこから、誰から得ているでしょうか。 ② 私たち教師は、学習活動を通して、教科書的な情報や知識を超えたさらに深く広いものをどのように提示しているでしょうか。個々の情報を線につなげることや総合化したり概念化したりする高次の学習機会を提供しているでしょうか。 この夏に骨太な本に巡り合いました。著者は概念化とは「事実、例、観察、経験を用いて、重要な概念や概念的関係の理解を構築すること」と定義し、さらに次のように述べています。 “When we talk about teaching students to think more conceptually, we're talking about teaching them to change the way they think about the factual information they acquire in class—to view facts not as content to be memorised but, rather, as raw material to use in constructing important understandings. Because the skill of "thinking big"—putting facts together to see larger concepts, connections, and relationships—can be challenging for students at first, it's a skill that needs to be practiced and scaffolded.” Jay McTighe & Harvey Silver(2020) Teaching For Deeper Learning 「生徒がより概念的に考えるように教えるということは、授業で得た事実情報に対する考え方を変えるように教えるということです。事実を暗記するための内容としてではなく、重要な理解を構築するための材料としてとらえるのです。事実を組み合わせて、より大きな概念、つながり、関連性を見出すという「大きく考える」スキルは、生徒にとって最初はむずかしいものであるため、練習と段階ごとのサポートを提供することが求められます。」 身近な体験から始まって、深く大きな学びに発展していく仕組みを、実際の学習活動の中にどのように組み込むかが課題でしょう。さらに、この「大きく考える」スキルは大人にも必要であることを強く感じました。
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昨年の今頃少し書き始めて、そのままになっていたのがこの題名と次の一節です。
大学生の頃、夏の季節は毎年Lifeguardをしていました。忙しい時は晴天日の一番暑い時間帯。そんな昭和の夏を思い出しながら、近くの市民プールをのぞいてみました。 公園の中にあるそのプールは夏の間だけ営業され、豊かな木々に囲まれていて外からは見えませんが、プールからの歓声は聞こえてきます。ところが今日、一番暑い時間帯の散歩の途中にプールの方へ向かって歩いていても子どもたちの歓声が聞こえません。週末にプールが休みとは残念なことだと思いながら入口まで歩くと、何と営業中でした。 令和の人々は暑い最中にはプールには行かないことが常識的なルールなのかもしれません。 ひと泳ぎしてうつ伏せになって、体から流れる水滴に映る青空や太陽の光を見るのが好きでした。学校には冷房設備がありませんでしたが、みな汗をかいて夏を乗り越えていました。 ここまで書いてやめました。そして1年後、さらに厳しい夏を過ごしています。 質問です。 ① 明らかに新しい夏の概念に直面している中で、従来通りの学校行事や地域のイベントを継続する意味や安全性を再考し、何らかの変更をしている実例があるでしょうか。 ② 気候変動の人的要因に意識を向けて、行動や習慣を変える人々が増えるには何が必要でしょうか。 “Most people are interested. Few are truly committed. Interested people act when it's convenient; committed people act no matter what. Interested people do the minimum; committed people push beyond limits. Interested people wait to be told; committed people take the initiative. Fully committing is the key to accomplishment.” Shane Parrish (2024) 「ほとんどの人は興味を持っている。けれども本当に専念している人は少ない。興味がある人は都合の良い時に行動し、献身的な人は何があっても行動する。関心を持っている人は最低限のことだけをする。一方コミットしている人は限界を越えてまでやろうとする。興味を持つ人は言われるのを待つが、コミットしている人は率先して行動する。完全にコミットすることが達成への鍵なのです。」 今日は午後に夕立がありました。久しぶりの雨のお陰で、ちょっと前まで荒れ狂うような熱気が充満していたのが落ち着いて、さわやかな外気が広がっていました。 |
Author萩原 伸郎 Archives
12月 2024
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