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先週から10年生のMedia Artsのクラスは3、4人のグループでMusic Videoの制作に取り組んでいます。曲を選び、歌詞を分析し、Storyboardを丁寧に組み立てるなどの準備に4コマ(1週間)使いました。クラスのWebページにはAI toolsのリストがあげられていて、担当の先生からは必要に応じて活用するように指示が出ました。子どもたちの反応はと言うと、SOUNDDRAW、Suno、IIElevenLabs、Stable Diffusion、Runway、Design Playground などリストにあるものを早速試すグループもあれば、使いたくないときっぱりと拒絶するグループもありました。
あるAI startupの創業者が2月9日に配信したblog “Something Big Is Happening” が1週間で8000万回以上読まれました。この中で筆者はAIの急速な進歩、特にプログラミング分野における進展がまもなく全産業に影響を与えると予測しています。筆者はさらに、AIが既に自身の技術的業務を代替し、最小限の人為的介入で完全に機能するアプリを生成している実態から、現在のAIの能力が一般の認識を大きく上回っていることを強調し、差し迫った変化に備えるよう読者に促しています。 教育に関しては次のように述べています。 "Rethink what you're telling your kids. The standard playbook: get good grades, go to a good college, land a stable professional job. It points directly at the roles that are most exposed. I'm not saying education doesn't matter. But the thing that will matter most for the next generation is learning how to work with these tools, and pursuing things they're genuinely passionate about. Nobody knows exactly what the job market looks like in ten years. But the people most likely to thrive are the ones who are deeply curious, adaptable, and effective at using AI to do things they actually care about. Teach your kids to be builders and learners, not to optimise for a career path that might not exist by the time they graduate.”Matt Shumer (2026) 「しかし次世代にとって最も重要なのは、これらのツールの活用方法を学び、心から情熱を注げる分野を追求することです。10年後の雇用市場がどうなっているかは誰にもわかりません。けれども成功する可能性が最も高いのは、深い好奇心と適応力を持ち、AIを駆使して本当に大切に思うことに取り組める人材なのです。」 質問です。 ① ICT機器が学校に導入され、やがてひとり1台の環境に発展した過程と比較すると、AIの教育現場への出現は根本的に何が異なるでしょうか。 ② AIの活用の仕方についてPassive Culture (受動的文化・習慣)とPurpose Culture (目的に基づく文化・価値観)と言う分類があります。この種の議論に触れるのは初めてではないと感じるのはなぜでしょうか。 多くの学校では操作スキルやセキュリティー、情報モラルなどを含むDigital LiteracyやDigital Citizenshipと呼ばれる系統的で継続的なプログラムと指導の確立を目指している途中で、AIという強力な威嚇にも改革の可能性にもなる「黒船」が入港し、乗組員が下船して学校コミュニティーに静かに浸透し始めているというのが現状でしょう。学習評価の基準 Assessment Policyの改訂も必要になってきます。 何かに追われてする作業ほど、危ういものはないでしょう。" 'Go slow to go fast.’Build a few successes, then take another tiny step.” Michael Fullan (2023) 「 '急がば回れ'。小さな成功を積み重ね、それからまた一歩踏み出そう。」が得策かもしれません。 先日ある場でMental Health First Aidのコースが紹介されたとき、自分はその領域についてほとんど無知であったばかりでなく、First Aidという認識もその必要性さえも理解していなかったことに気がつきました。これまで救急法救急員や水上救助員の講習は日本でもオーストラリアでも取得し更新してきました。これらは日常生活での事故防止や手当の基本、水に関係する事故防止や水の事故に遭った際の救助や手当の方法などの知識と技術を習得することを第一義に構成されています。さらに、オーストラリアの学校では、日本の学校とは異なり養護教諭や看護師が学校に配属されていないため、多くの教職員、中でも体育科教員やスポーツのコーチは受講することが義務付けられています。
先週末に2日間のMental Health First Aidコースに参加してみました。 質問です。 ① 国の公的機関であるNational Mental Health Commissionの2020年から24年までの調査では、オーストラリアの16歳から24歳の若者のうち38.8%が1年以内に何らかの精神疾患があったと回答しました。2007年の調査では25.8%でした。一方、2025年のWorld Happiness Reportに公表されているGallup World Poll (2022-2024)によると、オーストラリアは11番目に幸福度が高いという結果が出ています(日本は55番目)。この相反するデータは何を示唆しているのでしょうか。 ② 同じ調査で16歳から24歳の女性の場合には、45.5%が1年以内に何らかの精神疾患があったと回答しました。2007年の調査では28.5%でした。この傾向は日本にもあらわれています。どのような要因が考えれれるでしょうか。 私たちが体調不良やけがの際に医療機関で診察を受けるのと同じように、メンタルヘルスの不調がある時にも専門的な処置や周囲の人によるサポートが必要であることが講師から何回も繰り返し伝えられました。不安症やストレスなどの場合には「認知行動療法」Cognitive Behavioral Therapy (CBT)が薬物療法と同等に有効であることも知りました。CBTは行動や思考パターンを意識的に変えて、Well-beingや幸福感をあげることに有効であることを以前学んだことがあり、個人的に実践していました。 "We need to really focus on ways that we can fight the negative feelings that come with social comparison, perfectionism and guilt. All this stuff that in some sense causes us to get so busy. We develop this sort of scarcity mindset, which winds up making us do too much and messes with our head.” "You know, especially given that our world is changing, which success and fulfilment is increasingly feeling out of reach, that can intensify this culture of comparison. And that gets worse when we're watching influencers online and all these online trends. They set these unrealistic expectations around what a normal or a normal milestone might be, what parenting strategies should be, achievements and all this stuff. And this is causing parents to kind of push, push, push. And when we start chasing these unreasonable expectations, many families are left feeling exhausted, burned out and perpetually behind. " Laurie Santos (2025) The Science of Well-being for Parents 「親が理不尽な期待を追いかけ始めると、多くの家族は疲れ果て、燃え尽き、いつまでも遅れを取っていると感じるようになるのです。」 さて、このMental Health First Aidコースには受講者が23人いました。出生地はAustralia, Croatia, Finland, India, Ireland, Italy, Japan, Philippines, UK など、オーストラリアならではの典型的な構成でした。幸福度を上げるひとつの要因です。 私たちの日常生活の中にはたくさんのフィードバックにあふれています。電灯のスイッチを入れた時の「カチッ」という音、スマホのアプリを長押しした時の微かな振動など、それらの物理的フィードバックで自分の操作が確実に実行されたことを確認することができます。これらは製品のユーザーインターフェイス(UI)の設計の中で意図的に組み込まれます。
"Feedback that works surrounds us every day, so we rarely think about it. It's feedback that defines how a product behaves in response to what you want. It's feedback that allows designers to communicate to their users in a language without words. Feedback is the keystone of the user-friendly world." "Feedback is what allows information to become action—and not just at the level of data, neurons, and nerves.” Cliff Kuang with Robert Fabricant (2019) User Friendly 「フィードバックこそが、情報を行動へと変えるものです。それはデータやニューロン、神経のレベルだけにとどまりません。 」 質問です。 ① 日常的に使う道具や製品が使用中に何らかのフィードバックを出さなかった場合、私たちはどんなことを感じどんな行動に移るでしょうか。使用する人に対してまったくフィードバックを出さない道具や製品があるでしょうか。人とのコミュニケーションの際にフィードバックがなかった場合に、私たちはどのような反応をするでしょうか。 ② 私たちは学習する子どもたちにどのような内容のフィードバックをどのくらいの頻度で届けているでしょうか。学習活動をある種のシステムととらえて、子どもたちのUIやUX (ユーザーエクスペリエンス)の指標を測定すると、どのような数値が出るでしょうか。 学校の多様な場面で教師と子どもたちの間でさまざまな言葉かけや対話が発生します。特に学習活動の過程では言葉を媒体としたやりとりは重要な意味があり、私たち教師には有効なフィードバックを適時に届ける実践が期待されています。有効なフィードバックとはどのようなものか、Stanford, Yale, Columbia Universityなどの心理学研究者による共同研究があります。 "They had middle-school teachers assign an essay-writing assignment to their students, after which students were given different types of teacher feedback. To their surprise, researchers discovered that there was one particular type of teacher feedback that improved student effort and performance so much that they deemed it "magical." Students who received this feedback chose to revise their paper far more often that students who did not (a 40 percent increase among white students; 320 percent boost among black students) and improved their performance significantly. What was the magical feedback? Just one phrase: I'm giving you these comments because I have very high expectations and I know that you can reach them. That's it. Just 19 words. But they're powerful because they are not really feedback. They're a signal that creates something more powerful: a sense of belonging and connection." Daniel Coyle (2009) The Talent Code 魔法のようなフィードバックとは何だったのか?それはたった一文でした「私があなたにこのコメントを届けているのは、あなたにとても高い期待を持っているからで、あなたが良い成果を達成できることを私は知っているからです。」 ある単元を学習していく過程で、形成的評価を継続しながら子どもたち一人ひとりの理解や習熟度のデータを分析し、それを元に作成したフィードバックを届けることができたら、どんな効果が期待できるでしょうか。この一連の作業が簡易化され、的確なフィードバックを容易に子どもたちに送る方法があったら活用してみますか。 Google Workspaceを採用されていて、生徒さん方がGmail accountをお持ちの学校向けのAI搭載の形成的評価分析シートを作成しました。無料のGoogle AIを使用していますのでフィードバックの生成に時間がかかったりすることがありますが、確実に有効なフィードバックを子どもたちに届けることができます。ご希望の方はメールでお知らせください。 |
Author萩原 伸郎 Archives
4月 2026
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